寄稿記事-ことばの遊園地-

旧暦のある暮らし

日本の七十二候 鶺鴒鳴(せきれいなく)

寄稿者:橋本繁美 白露 次候 鶺鴒が鳴き始めるころ。鶺鴒は雀より少し大きく、背の色が黒くほっそりした鳥で、尾が長いのが特徴。「チチッチチッ」と鈴のように高い声を放ちながら、秋の澄み渡った空をさわやかに飛びかう。『古事記』では日本神話の伊弉諾...
枡儀のいろは

寄稿93 J.DREESからのDNA

寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀 ずいぶん昔の話だが、私が広告の世界に飛び込んだ頃といえば、室町関係は元気だった。(室町=着物の流通。市場付近を中心とした室町通一体に着物の流通が集中していた。)販売促進、広告宣伝費に多額の予算をかけて豪華なパン...
寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿93-s 鬼に角がない

寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀 「鬼に金棒」は頑強な肉体を持った強い存在として、「鬼の目にも涙」「渡る世間に鬼はない」は情け容赦のない性格の意。「鬼が笑う」「鬼の念仏」「疑心暗鬼」「神出鬼没」など、鬼がつくことわざは沢山ある。先日、古文書に「...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 草露白(くさのつゆしろし)

寄稿者:橋本繁美 白露 初候 野の草に降りた朝露が白く輝くように見えるころ。大気が冷え、草の葉先にできる玉のことを「白露」という。空気が澄んで、月が美しく見える季節。露は「月の雫」とも呼ばれ、秋の季語にもなっている。秋の訪れをいつくしむよう...
奄美探訪記と大島紬

寄稿92 大島紬という本物の魅力

寄稿者:橋本繁美 ファッション化からカジュアル化へ。きものは「作る」「売る」「着る」といった密接な連携で成り立っているといわれる。逆から考えれば、きものを着るものがいなければ売れない。売れなければ作ることもできない。ではどうすべきか。まして...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 禾乃登(こくものすなわちみのる)

寄稿者:橋本繁美 処暑 末候 いよいよ実りの季節、稲が実る時期。「禾」は稲が穂を垂れている様子をかたどった象形文字で、稲を表わす。「登」は実る、成熟する意をもつ。穂波は黄金色の穂が波のように風になびく様子。穂並は穂が出そろって並んでいる様子...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 天地始粛 (てんちはじめてさむし)

寄稿者:橋本繁美 処暑 次候 暑さがようやくおさまりはじめるころ。「粛」は縮む、しずまる、弱まるという意味で、まだ暑さは残るものの、時折吹く風の涼しさや虫の声などで、夏の終わりを実感する季節。日本の雑節のひとつに「二百十日」があり、立春から...
奄美探訪記と大島紬

寄稿91 大島紬の魅力を発信するために

寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀 奄美大島で生まれる大島紬。図案作成から完成するまでに沢山の工程があり、実に緻密な作業の連続だけに、現場を見てきた私には大島紬の価格には納得できる。だが、一部の富裕層だけをターゲットにしていたのではますます大島紬...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 綿柎開 (わたのはなしべひらく)

寄稿者:橋本繁美 処暑 初候 綿を包む「柎(はなしべ)=花のがく)」が開き始めるころ。 綿は7~9月にかけて黄色い花を咲かせ、実をつけるが、その実はやがてはじけ、ふわふわとした白い綿毛が顔をのぞかせる。ちなみに綿は、植物としての呼び名は「わ...
奄美探訪記と大島紬

寄稿90 印象的な濡羽色(ぬればいろ)

寄稿者:橋本繁美 大島紬のあの黒はどうやって出すのだろう。艶やかなカラスの羽のような濡羽色はどのような工程で生まれるのか。大島紬に出会ったとき、不思議に思った。黒く艷やかな女性の髪の毛を形容する言葉として用いられてきた濡羽色が印象的だった。...