寄稿記事-ことばの遊園地-

旧暦のある暮らし

日本の七十二候 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

寄稿者:橋本繁美 大暑 初候 もっとも暑い期間とされる大暑のこの時期、花が終わると卵形の固い実がなるころをさす。一般でいう桐は4~5月の初めごろに、枝先に釣鐘型の薄紫色の花を咲かせる。古来、桐と青桐はよく混同されてきた。どちらも大きな葉を茂...
寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿85 夏は浴衣・ヒオウギ

寄稿者:橋本繁美 夏は浴衣(ゆかた) 猛暑が続くこの季節。ここはひとつ、浴衣を着て夏を楽しみたいもの。浴衣はおしゃれな夏のファッション・アイテムのひとつ。夏祭りや花火大会に限らず、着る人も、まわりの人にも、さわやかな魅力を引き出してくれる。...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 鷹乃学習(たかすなわちわざをまなぶ)

寄稿者:橋本繁美 小暑 末候 ことし生まれた鷹の子が、飛び方を学ぶ時期。巣のなかで何度も羽ばたきを繰り返し、近くの枝に飛んで移ったりして、やがて独り立ちし、羽ばたいていく。鷹は高く飛ぶから「高(たか)」、猛き鳥だから「たけ→たか」、速く飛ぶ...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 蓮始開(はすはじめてひらく)

寄稿者:橋本繁美 小暑 次候 蓮の花が開き始めるころ。もともと蓮は、蓮の実が蜂の巣に似ていることから「はちす」と呼ばれ、それが変化して「はす」になったと聞く。泥のなかで育まれたとは思えないほど、美しく清らかな花を咲かす。まさに「泥より出でて...
奄美探訪記と大島紬

寄稿84 糊張りの体験

寄稿者:橋本繁美 かなり前に、大島紬の工程のひとつ「糊張り」を見せてもらったことがある。およそ50※1メートルに張り巡らせた糸に糊をつける作業だ。指の間を糸を通すことで4~5本※2の糸に糊づけができる。体験させてもらったが、素人にはなかなか...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 温風至(あつかぜいたる)

寄稿者:橋本繁美 小暑 初候 あたたかい南風が吹くころ。温風と聞くと、どうしても暖房器具などの風を思い浮かべてしまうが、本来はあたたかい南風のことをさし、夏の季語にもなってある、その温風も、梅雨の時期にしたがって、呼び名が変わる。梅雨入りの...
奄美探訪記と大島紬

寄稿83 泥染の発見

寄稿者:橋本繁美 えっ、奄美に続いて本州も梅雨明け。まだ6月というのに信じられない異常気象みたいだ。ま、天気の話はおいといて、前回に続き、泥染について以前、聞いたことを紹介しよう。 大島紬が誕生したのは江戸中期といわれている。テーチ木と称す...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 半夏生(はんげしょう)

寄稿者:橋本繁美 夏至 末候 半夏生は七十二候のなかの雑節の一つ。ここでいう「半夏生」は、サトイモ科の烏柄杓(からすびしゃく)のこと。細長い袋のような花は、小さな小さな柄杓のようで、鳥が使う柄杓ということからこの名がついたとか。この時期にド...
奄美探訪記と大島紬

寄稿82 大島紬といえば泥染め

寄稿者:橋本繁美 奄美大島は、梅雨が明けたという。京都はまだ梅雨入りしたばかり。おそらく梅雨が明けるのは7月17日の祇園祭前祭(さきまつり)山鉾巡行が終わる頃だろう。といっても、連日、雨が降っているわけではない。どんよりとした空模様で、湿度...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 菖蒲華(あやめはなさく)

寄稿者:橋本繁美 夏至 次候 その名のとおり、菖蒲が咲くころ。ことわざに優れたもの同士をたとえる表現として「いずれ菖蒲か杜若(かきつばた)」がある。どちらも素晴らしくて選択に迷うことだが、菖蒲も杜若も比べられないほど美しく、花もよく似ている...