寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿57 忘年会・除夜の鐘・年越しそば

寄稿者:橋本繁美 忘年会(ぼうねんかい) 本来なら、この時期は忘年会のシーズンであるが、コロナ禍によって静かな感じだ。『日本歳時記』(貞亨五)によると「12月下旬の内、年忘れて、父母兄弟親戚を饗することあり。これ、一とせの間、事なく過ぎしこ...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 麋角解(さわしかのつのおつる)

寄稿者:橋本繁美 冬至 次候 麋は大鹿のことで、その角が抜け落ちて生えかわることを「麋角(びかく)」という。中国では強壮剤をつくるときにも使われていたとか。一般に日本鹿の角が落ちるのは春。角は毎年生えかわり、一年で立派な角になるそうだ。角を...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 乃東生(なつかれくさしょうず)

寄稿者:橋本繁美 冬至 初候 夏に花が咲いて枯れたようになる靭草(うつぼぐさ)が、真冬に芽を出すころ。冬至に芽を出すのは靭草だけでなく、菊の親株も同じ。これを冬至芽(とうじめ)。なんとたくましい生命力、長寿の象徴。(新暦では、12月22日~...
京の旬感

寄稿56 終い弘法、終い天神・冬の夜空

寄稿者:橋本繁美 終い弘法(しまいこうぼう)、終い天神(しまいてんじん) 京都の人なら、「弘法さん」(東寺)の縁日は21日と、「天神さん」(北野天満宮)の縁日は25日と知っている。弘法大師の月命日である毎月21日が「弘法さん」。菅原道真公の...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 鱖魚群(さけのうおむらがる)

寄稿者:橋本繁美 大雪 末候 鱖魚(けつぎょ)。鮭が群れをなして川を遡るころ。鮭は川の上流で生まれ、海へと下り、数年かけて成長した後、自分が生まれた川に戻ってくることで知られている。ひたすら産卵場所を求め群れをなして川を遡る姿には、悲壮感さ...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 熊穴蟄(くまあなにこもる)

寄稿者:橋本繁美 大雪 次候 熊が穴に入って冬ごもりするころ。時間が止まったような冬の山。冬眠の熊は眠りも浅く、冬の間に出産し、育てる雌もいるとか。寒くなると人も冬ごもり。(新暦では、12月12日~12月16日ごろ)
京の旬感

寄稿55 事始め・「京都・嵐山花灯路」(はなとうろ)

寄稿者:橋本繁美 事始め(ことはじめ) 事始めは、江戸時代から京に伝わる古い習わしのひとつ。かつては旧暦12月13日、現在は新暦12月13日。煤払いをして正月を迎える準備を始めることから、正月起こしともいわれていた。昔はこの日に門松やお雑煮...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)

寄稿者:橋本繁美 大雪 初候 閉塞は字のごとく、天地の気が塞がれ、本格的な冬が訪れるころ。まるで天を塞ぐかのように重苦しい灰色の雲におおわれ、今にも雪が降りだしそうな空は雪曇と呼ばれる。(新暦では、12月7日~12月11日ごろ)
京の旬感

寄稿54 京の師走・「紬」がいちばん

寄稿者:橋本繁美 京の師走 11月25日、四条大橋の東詰めにある京都南座でおこなわれる年末恒例の顔見世興行を前に「まねき上げ」がおこなわれた。「まねき上げ」とは、年に一度の12月興行「顔見世興行」に出演する歌舞伎俳優の名前が書かれた「まねき...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)

寄稿者:橋本繁美 小雪 末候 橘は古くは蜜柑など柑橘類の総称。いつも香り高く、つやつやと青い葉を茂らせる橘は、めでたいもの、永遠の象徴として扱われてきた。そんな橘の実が黄色く色づくころ。京都御所にも「左近の桜、右近の橘」が植えられている。(...