寄稿記事-ことばの遊園地-

京を歩く

寄稿134 いちばん身近な綾小路通/ 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 はじめて「綾小路」を歩いたとき、なんて綺麗な名前なんだと思った。それまでクルマで何度も通っていたと思うが、じぶんの足で歩いてみて通り名をこれほど意識したことはなかった。というのも、最初の仕事場は蛸薬師通室町だったが、次に東...
日本の色を愉しむ

藤黄(とうおう)/茄子紺(なすこん)

寄稿者:橋本繁美 藤黄(とうおう) 温かみのある冴えた黄色。藤黄は中国の伝統的な顔料「藤黄(トウホアン)」を日本語読みした色名。東南アジアが原産の草雌黄(くさしおう)というオトギリソウ科の熱帯常緑樹。その樹脂からつくられ、そのあざやかな黄色...
京を歩く

寄稿133 京都人の教え?蛸薬師通/ 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀 私にとっての蛸薬師通といえば、独立して最初に事務所を構えた室町通を西に入ったあたり。と言っても、少し広めのワンルームマンションの一室。その頃はオフロードバイクで通っていた。四条烏丸という交通のアクセスを考え、得...
日本の色を愉しむ

若竹色(わかたけいろ)/青竹色(あおたけいろ)

寄稿者:橋本繁美 若竹色(わかたけいろ) その年に生えた若い竹のような爽やかな緑色。健やかに成長していく若い竹の幹肌をイメージした色名。竹の成長が進むと力強い青緑の「青竹色」となり、年老いると、くすんだ「老竹色」と色名が変化する。冬でも青々...
京を歩く

寄稿132 京のへそ六角堂/ 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀 烏丸六角の東に、聖徳太子が創建したといわれる「六角堂(紫雲山頂法寺)」がある。本堂の形が六角形であることから、古くより「六角堂」「六角さん」と呼ばれ、親しまれている。西国三十三所の御詠歌にも「わが思う 心のうち...
日本の色を愉しむ

黄丹(おうに)/京紫(きようむらさき)

寄稿者:橋本繁美 黄丹(おうに) 昇る朝日の色を写したとされる鮮やかな黄赤。黄丹は顔料の名称で「おうたん」とも読まれ、赤色顔料である鉛丹(えんたん)の別名。染料では紅花(べにばな)と支子(くちなし)で染めた赤みを帯びた橙色をいう。かつて皇太...
京を歩く

寄稿131 若冲が生まれ育った錦小路/ 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀 四条通大丸の北に錦小路通がある。西は高倉通から東は寺町通までが、アーケード街の錦市場。肩がふれあうほどの狭い道に、およそ120店舗がひしめいている。そこは旬の食材が並ぶ、京都きっての食品市場として活況を呈する。...
日本の色を愉しむ

熨斗目色(のしめいろ)/勿忘草色(わすれなぐさいろ)

寄稿者:橋本繁美 熨斗目色(のしめいろ) 灰みの強い鈍い濃い青色。熨斗目とは、経に生糸、緯に半練糸を用いた平織りの絹織物のことで、無地のほかに縞や格子を織り出したもの。後に、これで仕立てられた小袖を熨斗目というようになり、江戸時代では士分(...
京を歩く

寄稿130 落ち着いた町並み姉小路通/ 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 御池通と三条通の間に並行している姉小路通(あねやこうじどおり)。東は木屋町通から西は佐井通まで、途中、JR山陰本線で途切れるが約3.5km続く。本能寺入口の寺町通から歩いてみると、おなじみの筆墨文具の鳩居堂、柚味噌の八百三...
日本の色を愉しむ

半色(はしたいろ)/江戸紫(えどむらさき)

寄稿者:橋本繁美 半色(はしたいろ) 穏やかで優雅な色。「半」というのは中間の意味で、「端」とも書き、どっちつかずの色という意味。紫根で染めた「濃き」と「薄き」の間の色、紫の中間の色をいう。禁色の紫色や紅の濃淡の中間にあって、それらの名前で...