59 夏の着物をはじめる その3 夏襦袢の話

男と着物 - 回想録 -

投稿者:ウエダテツヤ

さて、夏着物に居敷当を付けなかったりして気付いたのは「ちゃんと襦袢を着ないとあかんのちゃうか?」ということだった。

購入した夏着物のうち、麻の一部やポリエステルの絽などは透け感が強く、肌着など、いわゆる中身が見えてしまう。気にしない方もいらっしゃるかもしれないけれども、私的にはちょっと避けたかった。ということで、洗えるという観点でいくつか麻の長襦袢を仕立て、それと別にプレタ襦袢(胴さらし袖ポリエステル)をネットで買った。

プレタについては何となく買ったのだけれど、真っ白だったので結局のところコーディネート的にほとんど使わなかったし、透けてはいるものの袖は(ポリエステルだからか)汗がジトッとしてしまうので機能性としても私とは分かり合えなかった。生地の雰囲気的にもちょっとフォーマルっぽかった。そんなこんなで気分の乗らない悪天候用になった。

夏に限ったことではないかもしれないけれど、襦袢を頻繁に洗わない私でも夏の襦袢は洗濯頻度が多い。だから正直言って私にとっての夏襦袢は消耗品だということが着用を通して知ったことだ。変色もするし生地と洗い方によっては毛羽立つことでチクチクが増えたものもあった。

(私は着たことがないのだけれど)最近では洗えるシルクなどもあるようだから、各々の使い方や洗い方なども含めて最善なものをお店で相談することをおすすめする。店員さんが夏物を頻繁に来ていることは大切だけれど、そもそも体質(麻が苦手、化繊が苦手などや汗かき冷え性など)でも好みは異なるのでそれも含めて相談できるような店員さんが良いと個人的には思う。

ちなみに当社で定番的に製品化している襦袢はTシャツ型のみで、結局私は夏もほとんどそれを使っている。そういう習慣と自社製品を主に着ることもあって、何年かで透け感の強い着物はほとんど着なくなった。