旧暦のある暮らし

コピーライター 橋本繁美氏の寄稿記事。旧暦の文化がにわかに残る奄美大島にちなみ、旧暦(二十四節気)から見つめる日本の暮らしをお届けします。
寄稿 旧暦のある暮らし はじめに
寄稿 旧暦のある暮らし 日本の七十二候

 

二十四節気 立春(りっしゅん) 新暦2月3日頃
日本の七十二候 東風解凍(はるかぜこおりをとく)
日本の七十二候 黄鶯睍睆(うぐいすなく)
日本の七十二候 魚上氷(うおこおりをいずる)

二十四節気 雨水(うすい) 新暦2月19日頃
日本の七十二候 土脉潤起(つちのしょううるおいおこす)
日本の七十二候 霞始靆(かすみはじめてたなびく)
日本の七十二候 草木萌動(そうもくめばえいずる)

二十四節気 啓蟄(けいちつ) 新暦3月6日頃
日本の七十二候 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
日本の七十二候 桃始笑(ももはじめてさく)
日本の七十二候 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

二十四節気 春分(しゅんぶん) 新暦3月21日頃
日本の七十二候 雀始巣(すずめはじめてすくう)
日本の七十二候 桜始開(さくらはじめてひらく)
日本の七十二候 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)

二十四節気 清明(せいめい) 新暦4月5日頃
日本の七十二候 玄鳥至(つばめきたる)
日本の七十二候 鴻雁北(こうがんかえる)
日本の七十二候 虹始見(にじはじめてあらわる)

二十四節気 穀雨(こくう) 新暦4月20日頃
日本の七十二候 葭始生(あしはじめてしょうず)
日本の七十二候 霜止出苗(しもやみてなえいずる)
日本の七十二候 牡丹華(ぼたんはなさく)

二十四節気 立夏(りっか) 新暦5月5日頃
日本の七十二候 鼃始鳴(かわずはじめてなく)
日本の七十二候 蚯蚓出(みみずいずる)
日本の七十二候 竹笋生(たけのこしょうず)

二十四節気 小満(しょうまん) 新暦5月21日頃
日本の七十二候 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
日本の七十二候 紅花栄(べにばなさかう)
日本の七十二候 麦秋至(むぎのときいたる)

二十四節気 芒種(ぼうしゅ) 新暦6月6日頃
日本の七十二候 蟷螂生(かまきりしょうず)
日本の七十二候 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)
日本の七十二候 梅子黄(うめのみきばむ)

二十四節気 夏至(げし) 新暦6月21日頃
日本の七十二候 乃東枯(なつかれくさかるる)
日本の七十二候 菖蒲華(あやめはなさく)
日本の七十二候 半夏生(はんげしょう)

二十四節気 小暑(しょうしょ) 新暦7月7日頃
日本の七十二候 温風至(あつかぜいたる)
日本の七十二候 蓮始開(はすはじめてひらく)
日本の七十二候 鷹乃学習(たかすなわちわざをまなぶ)

二十四節気 大暑(たいしょ) 新暦7月23日頃
日本の七十二候 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)
日本の七十二候 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)
日本の七十二候 大雨時行(たいうときどきにふる)

二十四節気 立秋(りっしゅう) 新暦8月8日頃
日本の七十二候 涼風至 (すずかぜいたる)
日本の七十二候 寒蟬鳴(ひぐらしなく)
日本の七十二候 蒙霧升降(ふかききりまとう)

二十四節気 処暑(しょしょ) 新暦8月23日頃
日本の七十二候 綿柎開 (わたのはなしべひらく)
日本の七十二候 天地始粛 (てんちはじめてさむし)
日本の七十二候 禾乃登(こくものすなわちみのる)

二十四節気 白露(はくろ) 新暦9月8日頃
日本の七十二候 草露白(くさのつゆしろし)
日本の七十二候 鶺鴒鳴(せきれいなく)
日本の七十二候 玄鳥去(つばめさる)

二十四節気 秋分(しゅうぶん) 新暦9月23日頃
日本の七十二候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)
日本の七十二候 蟄虫坯戸(むしかくれてとをふさぐ)
日本の七十二候 水始涸(みずはじめてかるる)

二十四節気 寒露(かんろ) 新暦10月9日頃
日本の七十二候 鴻雁来(こうがんきたる)
日本の七十二候 菊花開(きくのはなひらく)
日本の七十二候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)

二十四節気 霜降(そうこう) 新暦10月24日頃
日本の七十二候 霜始降(しもはじめてふる)
日本の七十二候 霎時施(こさめときどきふる)
日本の七十二候 楓蔦黄(もみじつたきばむ)

二十四節気 立冬(りっとう) 新暦11月7日頃
日本の七十二候 山茶始開(つばきはじめてひらく)
日本の七十二候 地始凍(ちはじめてこおる)
日本の七十二候 金盞香(きんせんかさく)

二十四節気 小雪(しょうせつ) 新暦11月22日頃
日本の七十二候 虹蔵不見(にじかくれてみえず)
日本の七十二候 朔風葉払(きたかぜこのはをはらう)
日本の七十二候 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)

二十四節気 大雪(たいせつ) 新暦12月7日頃
日本の七十二候 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
日本の七十二候 熊穴蟄(くまあなにこもる)
日本の七十二候 鱖魚群(さけのうおむらがる)

二十四節気 冬至(とうじ) 新暦12月22日頃
日本の七十二候 乃東生(なつかれくさしょうず)
日本の七十二候 麋角解(さわしかのつのおつる)
日本の七十二候 雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)

二十四節気 小寒(しょうかん) 新暦1月5日頃
日本の七十二候 芹乃栄(せりすなわちさかう)
日本の七十二候 水泉動(しみずあたたかをふくむ)
日本の七十二候 雉始雊(きじはじめてなく)

二十四節気 大寒(だいかん) 新暦1月20日頃
日本の七十二候 欵冬華(ふきのはなさく)
日本の七十二候 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)
日本の七十二候 雞始乳(にわとりはじめてとやにつく)

旧暦のある暮らし

日本の七十二候 楓蔦黄(もみじつたきばむ)

寄稿者:橋本繁美 霜降 末候 紅葉が深まるころ。「もみじ」は「揉み出(もみず)」が変化した言葉。草木の色が揉み出されるという意味で、昔は黄色に色づくものを「もみじ」といっていた。それが次第に、とりわけ美しく紅葉する楓をさすようになったという...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 霎時施(こさめときどきふる)

寄稿者:橋本繁美 霜降 次候 小雨が時々降るころ。「霎」を「こさめ」と読ませているが、江戸時代の宝暦歴(ほうりゃくれき)などでは「しぐれ」となっている。時雨は主に秋から冬にかけて、降ったりやんだりする小雨のこと。昔から風情のある雨として好ま...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 霜始降(しもはじめてふる)

寄稿者:橋本繁美 霜降 初候 そろそろ霜が降り始めるころ。地方によって初霜の時期が異なるため、歳時記では「初霜」は冬の季語になっている。いずれにせよ、一夜のうちに、農作物に大きな被害をもたらす霜。できれば被害もなく、「霜の花」といわれる美し...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)

寄稿者:橋本繁美 寒露 末候 雁が北の国から渡ってくるころ。その年に初めて渡ってくる雁を初雁(はつかり)という。昔は、雁も燕と同じく常世国(とこよのくに。永遠不変の理想郷)からやってくるといわれ、人々に尊ばれた鳥だそうだ。学名は「ガン」だが...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 菊花開(きくのはなひらく)

寄稿者:橋本繁美 寒露 次候 菊の花が咲き始めるころ。日本人にとって、菊といえば皇室の紋とか、重陽の節句、菊人形などを思い浮かべる人が多いと思う。菊は長寿の象徴ともいわれ、中国では寒い季節に霜にも負けず香り高く咲くところから、梅、竹、蘭とと...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 鴻雁来(こうがんきたる)

寄稿者:橋本繁美 寒露 初候 雁が北の国から渡ってくるころ。その年に初めて渡ってくる雁を初雁(はつかり)という。昔は、雁も燕と同じく常世国(とこよのくに。永遠不変の理想郷)からやってくるといわれ、人々に尊ばれた鳥だそうだ。学名は「ガン」だが...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 水始涸(みずはじめてかるる)

寄稿者:橋本繁美 秋分 末候 水田の水がなくなり、稲刈りに備えるころ。または、川の水がやせて、井戸水が涸れはじめるころという説もあるが、収穫の時期を考えれば前説の「落とし水」だろう。黄金色に輝く稲穂が秋風にゆれて穂波となり、眺めているだけで...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 蟄虫坯戸(むしかくれてとをふさぐ)

寄稿者:橋本繁美 秋分 次候 虫が冬支度をはじめる時期。春の「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」に対応する項目。春の彼岸に穴を出て、秋の彼岸に穴に入るといわれる。ここでいう虫には蛇や蛙なども含まれ、土のなかにつくった穴をふさぎ、そろそろ冬...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)

寄稿者:橋本繁美 秋分 初候 雷が鳴り響かなくなるころ。雷といえば夏のイメージが強い。夏は入道雲ができやすく、雷は入道雲のなかで電流が流れるために起こる現象だそうだ。古代の人たちは、雷を天の神様が怒っていると思ったのか、神様が太鼓を鳴らして...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 玄鳥去(つばめさる)

寄稿者:橋本繁美 白露 末候 春にやってきた燕たちが、南の国へ帰るころ。七十二候では、春の「玄鳥至」と秋の「玄鳥去」は対になっている。燕は気温に関係なく、日照時間の長さを感知して渡りを開始するといわれる。燕の生態は面白く、毎年ほぼ2回子育て...