14 片ばさみを目撃する

投稿者:ウエダテツヤ

片ばさみという結び方を目撃したのは確か2002年頃である。当時の上司(『片ばさみ上司』と呼ぶ)が展示会で着ているのを見て、なんだこの結び方は?と思った。

それまでは貝ノ口一辺倒であった。というかそれしか知らない。角帯の結び方=貝ノ口と思っていたところ、不思議な結び方をしている人を見つけた。上司と言えども直属ではなく上の上の…で、話しにくい。気になるなぁと思ってジロジロ見ているとぼぉっとしてるなと怒られた。

私はテキパキ仕事ができる人間ではない。やることが山積していると、何からやればいいか判らなくなることがある。そんな時はそこに立ち尽くしてしまうこともしばしば。とにかく役立たない。計算は嫌いでないのでクレジットの利息計算などはこなせたけれど、催事の準備や片付けは嫌い。昔から姿勢も態度も悪く一生懸命やってもサボっている風。だからよく怒られた。特に直属ではない上司やお手伝い先など、普通は怒られにくい人から怒られた記憶があるので、よほど鼻につくタイプらしい。

ちなみに学生の時は座っているだけで「怒っているのか?」と聞かれ、就職してからは座っているだけで「態度が悪い」と怒られ、京都では歩いていると「感じが悪い」と近所から苦情が来た男である。最近まで随分悩んだけれど、人を見下しているのではなく、悪気もないので誤解を積極的に解くことは諦めている。

そんな私が何もせずジロジロ見ているものだから”片ばさみ上司”もさぞかし気分が悪いはずである。そんなこんなで結局1年近くは聞けなかったが、私の転勤で少し身近なポジションになった。それでも関係的に、雰囲気的になかなか話せるタイミングはなかったが、ある時今しかないというタイミングで聞いてみると快く教えてくださったのを覚えている。

片ばさみ
2021年03月15日 | Posted in 男と着物 - 回想録 - | | Comments Closed 

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