半色(はしたいろ)/江戸紫(えどむらさき)

日本の色を愉しむ寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

半色(はしたいろ)

穏やかで優雅な色。「半」というのは中間の意味で、「端」とも書き、どっちつかずの色という意味。紫根で染めた「濃き」と「薄き」の間の色、紫の中間の色をいう。禁色の紫色や紅の濃淡の中間にあって、それらの名前では呼べず、禁色と禁色の中間に属する色や、禁色と許色との中間も「半色」といって使用が許された。

C55 M63 Y0 K0

江戸紫(えどむらさき)

青みがかった紫色。伝統的な紫根染による京染に対し、蘇芳(すおう)で染められた紫を「江戸紫」と呼んだ。歌舞伎十八番の『助六由縁江戸桜』のなかで、任侠の花江戸の助六が頭に締める病鉢巻の色が江戸紫。江戸好み、粋の美意識から青みがちの紫をさす。京紫系の紫を「古代紫」というのに対し、江戸紫の冴えた青みの紫を「今紫」ともいわれる。

C60 M74 Y0 K14