コピーライター 橋本繁美氏の寄稿記事。当社と長年の関りをもとに、社員でもなく、着物のユーザーでもない視点で奄美大島や大島紬、京都や四条烏丸などの情報を含めてお届けしています。

寄稿128 西洞院通と天使突抜通/ 京を歩く
寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀西洞院(にしのとういん)にご縁をいただいてどれくらい経つのだろうか。40年ほど前、浴衣の洗濯で四条西洞院にあったクリーニング屋さんから始まったのは確かだ。今はマンションに変わってしまったが、その近くに事務所が引っ...

青丹(あおに)/苔色(こけいろ)
寄稿者:橋本繁美青丹(あおに)青丹は岩緑青(いわろくしょう)の古名。青土のような暗く鈍い黄緑色をいう。青土は「あおに」と読まれ、「青丹」と書かれるようになる。「丹」は土の意味。ちなみに、もともとは青土とかいて「あおに」と読んでいた。『万葉集...

群青色(ぐんじょういろ)/茄子紺(なすこん)
寄稿者:橋本繁美群青色(ぐんじょういろ)紫みがかった深い青色。鉱物の藍銅鉱(アズライト)を原料とする岩群青を使った顔料。同じく、ラテン語で青い石を意味する「ラピス・ラズリ」が瑠璃と知られるまでは、最も美しい青とされていた。日本画の水の表現に...

寄稿127 了頓図子(りょうとんのずし) / 京を歩く
寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀以前に、膏薬図子を紹介したが、今回は「了頓図子(辻子)」。三条通の室町と新町の間、三条から六角へ抜ける衣棚通に図子がある。この辺りは、戦国時代の茶人・廣野了頓(ひろのりょうとん)の屋敷があったところ。屋敷の南側の...

寄稿126 京の七口のひとつ荒神口 / 京を歩く
寄稿者:橋本繁美荒神口通は、東は川端通から荒神口橋を渡り、西へ京都地方法務局を経て河原町通を渡り、清荒神(護浄院)、鴨沂高校から寺町通まで。鴨川に架かる荒神橋からは五山の送り火のうち「大文字」がよく眺望できる。かつて学生運動が盛んだった頃、...

空色(そらいろ)/瑠璃色(るりいろ)
寄稿者:橋本繁美空色(そらいろ)晴れた日の空のような明るい青色をさす。「空天色(くうてんしょく)」や「碧天(へきてん)」といった美しい別名をもつ。藍による下染の色のひとつとしてあげられ、中色(なかいろ)ともいって花色と浅葱の間の色調である。...

寄稿125 喧噪のなかに静寂な膏薬図子 / 京を歩く
寄稿者:橋本繁美京都には、家と家のあいだに「辻子・図子(ずし)」や「路地(ろーじ)」といわれる細い道が点在している。まるで迷路みたいで子どもたちの遊び場になっていたのは昔の話か。辻子と路地との違いは、通り抜けられる路が辻子。行き止まり(どん...

支子・梔子(くちなし)/菖蒲色(あやめいろ)
寄稿者:橋本繁美支子・梔子(くちなし)「支子」は「梔子」とも書き、アカネ科の常緑低木。夏開く花は芳香があり、その実で染めた色。支子の単一染はあたたかみのあるやや赤みがかった黄色で「黄支子」といわれる。古くから黄色を染めるために用いられたが、...

寄稿124 偉人たちがいた高辻通 / 京を歩く
寄稿者:橋本繁美東は鴨川の西から西は梅津まで続く高辻通。昔の資料によると、堀川通の東、醒ケ井あたりが高地のため、高辻通と呼ばれたというらしい。そこには、高辻通の寺町から烏丸間は昭和の初期までは箪笥、鏡台、調度品、漆器などの家具屋街だったが、...

藤色(ふじいろ)/牡丹色(ぼたんいろ)
寄稿者:橋本繁美藤色(ふじいろ)やや青みがかった淡い紫。藤の花に似た澄んだ色を出すために蓼藍と紅花をかけ合わせている。紫が至上の色だった平安朝で、女性の美しさを引き立てる高貴な色とされてきた。藤はマメ科のツル性落葉大木で、ノダ藤はツルが右巻...