50 着物で海外旅行3 写真を撮ってください

男と着物 - 回想録 -

投稿者:ウエダテツヤ

空港を皮切りに道中様々な所で写真を撮られた。私の場合、日本で異国の民族衣装を見掛けても声を掛けて写真撮影をお願いすることはないのでとにかく驚いた。撮った写真を果たしてどうしているのかは知る由もない。

例えば当時スベイン広場の上にはミサンガ詐欺師がいて、例外なく私にも声を掛けてきた(ミサンガを巻かれてお金を要求されるようだ)。ガイドさんから事前に聞いていたので「いらんいらん」と言っていたら「じゃあミサンガはもういいから写真を撮ってくれ」と言われた。不信感を抱きつつ詐欺師と並んで立ち、その姿を別の詐欺師が撮影する、という不思議な状況だった。

トレビの泉でも一般の方に声を掛けられ一緒に撮影したが、「私も、私も」と、ちょっとした列が出来た。それを見ていた巡回中の警察官が笑っていた。しかし私との撮影は画角的にトレビの泉は写っていなかったので、何の記念になっているのか不明である。
コロッセオでも何人かと写真を撮ったけれど、その横で戦士の格好をした記念撮影用の人が暇そうにこちらを眺めていたのが印象的だった。

凱旋門では一眼を持った人に「撮影させてくれ」と言われ、その後画像を送るからメールアドレスを教えてくれと言われたけど、断った。
モンサンミッシェルではその絵が面白かったのか、一緒にいた日本人からも撮らせてくれと言われた。

ベルサイユ宮殿では撮影を了承すると「みんなおいでー」と呼ばれて総勢10人以上の子供たちと撮ることになった。何かのヒーローになった気分だった。戦うイメージなのか、そういうポーズの子もいた。

他にも沢山撮影したし、隠し撮りも(隠れていないけれど)沢山あった。着物はいくらぐらいかと聞かれることもあったし、刀はどうしたんだと聞かれる事もあった。着物の値段は色々だとしか言えなかったし、刀は忘れたと言っておいた。着物大人気。着るだけでこんなに喜んでもらえるんだと感じた。

ベルサイユ宮殿
宮殿の庭での一コマ。何人かは戦いそうなポーズ。