64 会社で週一「着物の日」まで

男と着物 - 回想録 -

投稿者:ウエダテツヤ

私の中で「仕事」だった着物をこれまで以上にたくさん着るようになった2011年。時を重ねるに連れ感じるようになったのは「着る人が増える」ということが他人事ではなく、本当に大事な要素だということだった。

それまでは「着たいけれど着る機会がない」という人に「お正月はどうですか」「レストランにいけば」「京都旅行」など自分は着ないなりのありがちな提案をしていた。実際自分が着るようになると、正月こそ着物を着る余裕のない人もいっぱいいるような気がしたし(私の場合は正月の方が着る気がなくなってしまう)、「食事ありき」よりも街をブラブラするほうが楽しかったし、いきなり旅行もハードルが高いなとも思ったし、京都が特別ではないとも感じた(あえて京都のことは触れないですけど)。着る機会なんて実は洋服を着る機会と同じで、着ようと思うかが重要だということは読者の皆様ならよくご存じだと思う。そしてその背中を押す一つになるのが「着物を着て一緒に出掛ける人」だったりする(もちろんそうじゃない人もいる)。あの人着物だから私も着物を着て行こう、というわけである。

想像力の乏しい私は生活と着物をリンクさせて初めてそういうことを感じられたので、業界の人たちにも着ることをすすめてはいたものの、それぞれの考えやライフスタイルもあるだろうし、私がゴチャゴチャ言って変わるものならとっくの昔に変わっているはず(それでもゴチャゴチャ言っていたけれども)とも思っていた。とにかく業界が云々というのも小さな私が自分のことと認識するには規模が大きかったし、各社の経営についてはそれぞれの考えと今も思っているので、これについて志は湧いてこなかった。

一方で自分のことならばいくらでも変えられるし、変えようとするのならば自分の周りからだと思っていたので「次は会社だ」と考えてみんなに問題提起してみた。

これから着物がどうなるのか、今わたしたちができることは何かといったことについて時間をかけて話し合った結果、みんなで出した答えの一つが「週一回着物を着る」ということだった。当社の着物の日はこうして始まった。

2013年当時の着物の日(商品会議)

(来週の投稿はお休みです)

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