寄稿107 一大ターミナルだった四条大宮 / 京を歩く

京を歩く寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

かつて阪急京都線四条大宮駅は特急が利用できたため、大阪や神戸に出かける時、お世話になった駅だ。特急が停まらなくなってからの不便さはともかく、駅周辺をはじめ街全体の発展、活性化に大きく影響していると思う。阪急の駅としては、大宮より西に改札口が設けられたくらいでホーム内は昔のまんま。駅ビルの2階にはヤマハの家具を扱う店が入っていた。確か、取扱店はレコード・楽器の十字屋だったと記憶にある。何より1階の奥には飲食店が何軒か入っていて、なかでも中華の店が個人的にはお気に入りだった。もちろん高額が当たると人気の宝くじ売り場は健在だ。

交通の便からいえば、京福電気鉄道嵐山本線の始発駅で、路面を走る電車では珍しい連結された車両で、太秦、嵐山まで繋がっている。さらに京都市バスのターミナルで多くの通勤通学者や観光客に利用されている。ここから東西南北、市内を結ぶ利便性の良さはある。ま、それにしても昼夜を通して人の流れは少ない。隣の阪急駅西院も開発が進んでいるが、新しく生まれ変わった西院駅ビルや、飲食関係やカラオケ店がほとんどの大きなテナントビルを見ていても、あまり活気が感じられないのはコロナ禍の影響だけではないと思う。四条大宮といえば、あの餃子の王将1号店がすぐそこにある。いまや知名度も出店数も全国制覇のように思うが、若い頃からお世話になっている店だ。当時は、各店で餃子を包んでいたものだ。

大宮通を含め、遊戯施設パチンコ店も3軒あり、パチンコ好きには相変わらず人気を呼んでいる。昔から比べると、進化した台や少なくなった玉数など、いろいろと変わってきている。煙草の煙りと賑やかなアナウンス、ほとんど男性客ばかりだった館内も少しずつ進化してアミューズメントを高めている。私は下手ということもあり、ほとんど興味がないが、母が会社の経理に月に2回ほど来てくれていた頃、その帰りに気分転換でよく通っていた店があり、結構な好成績を出していた。地元では顔がさすと、市内で楽しんでいた姿を思い出す。何もかも忘れてゲームに集中することで、ひと時をリフレッシュしていたのだろう。

四条通を西に向かうと新選組で名高い壬生がある。元祇園梛神社や壬生寺も近く、祇園祭綾傘鉾の囃し方のみなさんの地でもある。そして、JR山陰線の高架下を横切ると、お世話になっている日本写真印刷さん。いつも手入れされた芝生に、真っ赤なバラなどの花が迎えてくれる。この季節はクリスマス用のイルミネーションが鮮やかだ。さらに歩けば西大路通、西院に到着する。

そして春日通、少し北へ上がったところに西院春日神社、バイクショップのレオタニモトがある。洛西店オープンの時から、お世話になったところだ。百貨店のイベントや、テレビやラジオ関係に出演してもらったり、バイクツーリングやモトクロス遊びの愉しさを教えてもらった思い出がいっぱい詰まった大事なお店でもある。感謝、感謝。