寄稿46 晩秋小夜曲(ばんしゅうセレナーデ)

寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

♪さみしさのつれづれに 手紙をしたためています あなたに…(『心もよう』井上陽水)。「晩秋」と聞けば、寂しさをそそることば。それにしても、すっかり日が暮れるのがはやくなった今日この頃。ふとした瞬間に、せつない気持ちになったり、寂しさにおそわれたりするのは、日々の冷え込みと秋風に心を奪われるからか。そんな感傷的、情緒的な思いにふける秋の夜長を楽しむには何がいいか。読書、音楽、編み物、映画鑑賞と、人それぞれ過ごし方はあると思うが、私はお気に入りの噺家の落語を聴くのが好きだ。ま、季節を問わずよく聴いているが(笑) こんやは柳家小三治師匠の『粗忽の釘(そこつのくぎ)』で笑眠かな。