二十四節気 小寒(しょうかん) 新暦1月5日頃

旧暦のある暮らし寄稿記事-ことばの遊園地-

 寄稿者:橋本繁美

この日から「寒の入り」。寒さが厳しい時期ですが、新年を迎えた喜びと、まっさらな心でスタートをきったばかり。何事もはじまりが肝心といいます。身も心も引き締めていきましょう。ますます寒くなりますので、お体にはどうぞお気をつけください。

春の七草

せりなずな 御形はこべら仏の座 すずなすずしろ これぞ七草

春の七草とは、芹(せり)、薺(なずな)、御形(ごぎょう)、繁縷(はこべら)、仏の座(ほとけのざ)、菘(すずな)、蘿蔔(すずしろ)。春の若菜のなかでも代表的な7種を選んだものです。聞きなれない名称が並びますが、「せり」「なずな」「ごぎょう → はこぐさ」「はこべら→ はこべ」「ほとけのざ → たびらこ」「すずな → かぶ」「すずしろ→ だいこん」と、現在用いられて名称にすると、聞きなじみがありますね。昔から日本では、年の初めに『若菜摘み』という雪の間から芽を出した草を摘む風習があり、これが春の七草の原点とされています。百人一首にも「君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ」と詠まれており、昔から広く浸透していたことがわかります。1月7日、人日の節句にいただく七草粥は、新春に萌え出た若い七草を食べることで、新しい生命力を身につけ、無病息災と長寿を願います。最も、現代人にとっては、お正月のご馳走で疲れた胃にやさしい食事として、受け継がれています。

鏡開き

1月11日は、正月に供えていた鏡餅を下げていただく日。その鏡餅を刃物は縁起が悪いので、木槌で割って食べる習わしがあります。しかも、切る、割るとはいわず「開く」、いかにも言霊を信じた日本人らしい言い換えですね。鏡餅を食べることで、一家の円満、無病息災を祈願します。