日本の七十二候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)

旧暦のある暮らし寄稿記事-ことばの遊園地-

 寄稿者:橋本繁美

秋分 初候

雷が鳴り響かなくなるころ。雷といえば夏のイメージが強い。夏は入道雲ができやすく、雷は入道雲のなかで電流が流れるために起こる現象だそうだ。古代の人たちは、雷を天の神様が怒っていると思ったのか、神様が太鼓を鳴らしている絵が描かれている。だから神の語源に「神鳴り」「鳴神」がある。歳時記では、雷は夏、稲妻は秋の季語となっている。(新暦9月23~27日ごろ)

稲妻(いなづま)

稲妻を辞書で引けば、稲の夫(つま)の意味。古くは、夫も妻も「つま」と呼んでいたことがわかる。雷が稲をはらませると考えられていたので「稲妻」と呼んだそうだ。昔から雷の多い年は豊作といわれてきた。天と地を結ぶ稲に感謝する季節。