群青色(ぐんじょういろ)/茄子紺(なすこん)

日本の色を愉しむ寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

群青色(ぐんじょういろ)

紫みがかった深い青色。鉱物の藍銅鉱(アズライト)を原料とする岩群青を使った顔料。同じく、ラテン語で青い石を意味する「ラピス・ラズリ」が瑠璃と知られるまでは、最も美しい青とされていた。日本画の水の表現に欠かすことができない岩絵具の青である。安土桃山時代の荘厳な障壁画、江戸時代の絢爛な琳派の屏風絵などに用いられている。

C67 M21 Y0 K0

茄子紺(なすこん)

茄子の実の色のような暗い紫色。この色名は江戸時代になってから使われるようになったといわれる。藍染の染料は、濃く染めると染め上がりの表面が赤みを帯びて、藍の青色と干渉して紫色に見える性質がある。染料が由来の「紫根(しこん)」、明治期以降は「紫紺」の色名で呼ばれていたが、ナス科の茄子の実の表皮に色が似ていることから「茄子紺」という色名に。茄子は「中酸実(なかすみ)」の略。

C40 M73 Y0 K70