寄稿104 狭くなった四条通 / 京を歩く

京を歩く寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

四条通寺町東に八坂神社御旅所(冠者殿社)がある。氏子はもとより、祇園祭関係者にとっては特に7月お世話になるところだ。一年を通して前を通るたびに、礼をするようになったのは齢のせいかな。寺町の信号を渡ると藤井大丸(フジイダイマル)。私たちの世代にとっては、お洒落なファッションの館だった。高校時代、アイビーが流行り、VAN製品は駅前の丸物百貨店か、ここにしか取り扱っていなかった。ま、それほど若者たちに支持されたデパートで、かつてはここのショッピングバッグを持つことがお洒落だったと聞く。この世界に入って、宣伝広告を担当することになった時はとても嬉しかった。特に、夏のコーナーバーゲン時には力が入ったことを思い出す。

さらに西は歩けば、東京海上保険のビル。この7階に、向かいに店舗を構える陶器の「たち吉」のデザイン部があった。宣伝部とは別のセクションだが、何かとお世話になったところだ。アダム&イブ、青嵐などのブランドが懐かしい。東京海上にもクライアント繋がりでご縁があったビルだ。当時、毎日新聞社主催の日本の若手陶芸家の出版の取材にも飛び回っていた関係で、随分、焼きものについて勉強させてもらった。ほとんど、書籍による一夜漬けだったが、知らない世界の作家さんに会うことは刺激的でいい体験をさせてもらった。たち吉は残念ながら、店舗の姿はなく、山科の方で頑張っているらしい。

四条繁栄会の関係もあって、お店はお馴染みのところが多い。そういえば、御幸町通を上がったところに、友人の鵜飼治二氏の「近又」がある。長い間、会えていないな。元気で頑張っていると思う。それにしても、道幅が狭くなった四条通。信号を守らない人、どこでも横断する歩行者。危険というより常識がなさすぎる。恥ずかしい。こんな四条通、いつまで経っても馴染めず、本当にこれでよかったのかと、つくづく考えてしまう。

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