寄稿116 京都最大のアーケード街 / 京を歩く

京を歩く寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

堀川三条から千本三条まで西へのびる三条会商店街は、京都最大の長さを誇るアーケード街(365日晴れの街)。東西800mにもおよぶ商店街内には衣食住関係の約180店舗が連なる。小雪が舞うなか、歩きはじめると火曜日だけに定休日の店が目立つ。老舗のお店も、新しいお店もぎゅっと集まっている感じ。かつて大宮公園近くに、友人宅があった関係でよく来ていた懐かしいところ。そういえば、知り合いの嵯峨美の先生の関係で、結納品を扱うお店もあったな。テレビ出演もしてもらった。最近は結納を交わす儀式もずいぶん減ってしまい、日本ならではの文化が廃れていくのが寂しい。

三条黒門角には、素戔嗚尊を祭神とした八坂神社の境外末社、八坂神社又旅社(御供社)がある。その名のとおり祇園祭には欠かせない社。祇園祭り発祥の地とも言われ歴史はかなり古い。貞観11年、都に疫病が流行した時、平安京の広大な庭園であった神泉苑に66本の矛を立て、祇園社(現八坂神社)の神輿を迎え、祇園御霊会がおこなわれたところ。毎年7月24日の祇園祭「還幸祭」の前日、又旅社の前に池の水辺を表す芝生を敷き、「オハケ」という3本の御幣を立てる。ここで神饌を供えることが呼び名の由来となったと看板が教えてくれた。ことしの夏7月ここも熱くなることは確かだ。

三条通をぶらぶら歩くと、いろんなお店が目に飛び込んでくる。なかでも若い人を意識した飲食店が多い。なかには「本田味噌」と書かれた昔の老舗の看板がそのままあげられている素敵な店もある。そして、千本まで辿り着くとアーケード街は終わる。急に小雪が舞い込んできた。北西の方を見渡せば、立命館大学や佛教大学などの教育機関が建ち並ぶ。アカデミックな雰囲気が漂っていい感じだ。