寄稿129 なぜか美意識が騒ぐ古門前通/ 京を歩く

京を歩く寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

知恩院といえば、法然上人のお念仏の教えを伝える浄土宗の総本山。山号は華頂山。綾傘鉾でもお世話になっている華頂短大のあるところ。以前にも登場した一本橋(行者橋)もすぐ近く。ここから知恩院までは華頂学園のある華頂通を経て東に向かう。今回は西へ、爽やかな風に若柳が揺れ、風情漂う知恩院門前の白川に架かる橋を渡り、車の多い東大路に出る。信号のある横断歩道を渡り、さらに西へまっすぐ進めば、賑やかな歓楽街へとつながる。この古門前通はその名の通り、知恩院の古門に至る参詣路であり、およそ500メートルの長さ。北から流れてきた白川が、古門前でぐるりと西へ方向を変える。古門前通はこの白川に沿って縄手通(大和大路通)まで続く。この辺りは、歴史を感じさせる仏具商、古美術商、ギャラリー、茶道具商などが軒を並べる。

この通りを歩くと、むかしイラストレーターの木田安彦さんがよく展覧会をされていたことを思い出す。オープニングはいつも市立芸大の後輩による阿波踊りで、一般参加者も交じって賑やかで楽しかった時代。京都市内にギャラリーは多いが、それぞれ展覧会というか、アーチストのカラーがあるように感じる。おそらく、オーナーのカラーなのだろう。