ピクトグラム/サイ残暑

寄稿者:橋本繁美

ピクトグラム(pictogram)

先日、終わった東京オリンピックの開会式ですっかりおなじみになったピクトグラム。私たちグラフィックデザイン界に関係するだけに、とても興味深く、パフォーマンスも楽しく見せてもらった。ご存知かもしれないが、ピクトグラムは、文字同様にユニバーサルなコミュニケーションツールとして、情報を伝える大切な役割がある。なんとスポーツピクトグラムは、1964年の東京オリンピック競技大会で生まれた。情報伝達という点を重視してつくられ、その後、世界各国で発展してきた。

東京2020スポーツピクトグラムは、1964年のピクトグラムを踏襲しつつ、各競技の持つ躍動感や肉体の美しさがよりわかりやすく伝わるよう磨き上げられ、完成されていった。

株式会社モリサワ 第28回モリサワ文字文化フォーラム [デザインからデザインまで] ピクトグラム その機能の役割 より


対象の模写や概念から図的抽象化によってつくられた「絵文字」、「絵ことば」のことで、図記号グラフィック・シンボルの一種。視覚言語の確立というテーマのひとつの展開方向と考えられる。人々の交流や行動をより円滑にするための「絵ことば」。その役割は、公共空間での誘導・指示・位置・案内などの標識、統計グラフや地図、機械類の操作表示などきわめて広範に及んでいる。

「現代デザイン事典」平凡社刊より

サイ残暑(ざんしょ)

「いつまでも暑いざんす。サイ残暑」。こんな言葉はないか。でも、トニー谷ならこういうだろう。といっても、彼を若い人は知らないと思うが、リズムにのって、そろばんを楽器のようにかき鳴らす司会者だった。「レディース&ジェントルマン、おとったん&おかっかさん」といった妙な英単語を混ぜたしゃべり「トニングリッシュ」で、短めのオールバックにコールマン髭、吊りあがったフォックスめがねがトレードマークだった彼が司会を務めるテレビ番組。「あなたのお名前、なんていうの?」で私は知った。後で調べて知ったのは、かつて彼はボードビリアン(喜劇俳優)で、雪村いづみや江利チエミのステージで司会者として活躍し、映画にも進出していた。「さいざんす」「おこんばんは」「家庭の事情」などの流行語を生み出した人でもある。赤塚不二夫の「おそ松くん」に登場するイヤミの口癖は「ザンス」は、トニー谷の「さいざんす」に由来すると知ったのもずいぶん後のはなし。あんなコメディアンはもう出てこないのか。それにしても、日本の残暑は厳しい。ある人が、日本の家屋が開放的で風通しのよい構造をとり、きものも袖の大きな丈の長い上下の別のない形をとったのも、この蒸し暑さのためだといっていたのを思い出す。

2021年08月26日 | Posted in 寄稿記事-ことばの遊園地-橋本繁美 | | Comments Closed 

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