寄稿42_s 重陽・白秋

寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

重陽(ちょうよう)

陰暦9月9日を重陽といい、五節句のひとつ。重陽の節句、重九、菊の節句ともいわれる。古く、中国では奇数を陽の数としており、陽の極の数で、陽数の9が重なるこの日は、たいへん縁起のよい日とされた。邪気を払い、長寿を願う日。この日は現在で、菊の花に長寿を願う日とされ、菊の花を浮かべた菊酒を飲んだり、菊の露を含んだ綿で体を清める習わしが今も残っているとか。

白秋(はくしゅう)

秋は色でいえば白、白秋。ちなみに春は青春、夏は赤、朱赤、冬は黒、玄冬である。秋は「飽き」、五緋が飽き満ちる豊かな世界を象徴することばといわれている。また、大気が澄み、さわやかな陽ざしに恵まれ、「開き」「明き」のムードを表わすことば、万物紅葉して「緋(あき)」一色の世界をいうことばとの説もある。