寄稿99  さらに北へ河原町通 / 京を歩く

京を歩く寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

河原町三条には、かつて京都ロイヤルホテルがあった。結婚式を挙げたところだけに思い出は多い。かつて祇園祭の巡行時、綾傘鉾は棒振り囃子を奉納していた。いまは新しく生まれ変わる建築のためか姿を消している。御池通まで来ると、ゼスト御池地下街がある。河原町から西は寺町通まで続くショッピング・ストリート。それより向こうは地下駐車場となっている。寺町広場では、コロナ禍になるまでは月に1~2回フォークコンサートがおこなわれていた。みんなで集まって歌を楽しんでいた光景がみられた。はやく、あのカタチに戻ればいいなと思う。

地上に上がれば、京都市役所、その向かいが京都ホテルオークラ。ここも何かとお世話になったホテルだ。さらに北へ歩いて二条、そして丸太町を越えて荒神口。学生の頃は、荒神口北東角に「しぁんくれーる」というJAZZ喫茶があった。店名はフランス語で「明るい田舎」を意味するらしい。鴨沂高校も近くにあり、あの沢田研二もよく通っていたとか。当時は立命館大学もすぐ近くにあった。高野悦子著『二十歳の原点』にも出てくる。今では荒神口といえば、会社の用事で法務局に来るくらいだが、何かと懐かしく思うところだ。

ワタナベ楽器店を覗きながら、京都府立文化芸術会館に向かう。若い時から落語や演劇で寄せてもらったところだ。二科展や個展の会場としても使われており、オカリナ奏者の鈴江先子さんの発表会なども新しい。ここを出れば、目の前に京都府立医科大学、病院がある。ここは学校案内でお世話になったところ。知り合いの仲間もここで学んで医者として頑張っている。今では学舎もずいぶんきれいになっていた。