二十四節気 小雪(しょうせつ) 新暦11月22日頃

旧暦のある暮らし寄稿記事-ことばの遊園地-

 寄稿者:橋本繁美

北国から雪の便りが届く頃。とはいえ雪はさほど多くないという意味で、「こゆき」ではなく「しょうせつ」と読みます。雪と言えばいかにも寒そうに感じられますが、実は「雪が降るほど寒さは厳しくない」の意味なのです。しかし、冷たい北風が木々の葉を払い落とし、幹と枝だけの冬木立はいかにも寒そうな冬景色。さらに山を越えて吹きつけてくる空っ風は、冷気を帯びた冷たく強い風。一段と寒さを募らせていきます。

時雨(しぐれ)

北国から初雪の便りが届く頃は、時雨れることがよくあります。時雨とは、初冬の通り雨。山々に当たる強い北風によって、降ったり止んだりする細かいにわか雨のこと。京都のような盆地ではよく降ることから、平安時代の貴族にもなじみの深い秋の季語として、古くから歌にも多く詠まれてきました。不意に訪れるものや、しきりに続くものを時雨にたとえ、「木の葉時雨」「落葉時雨」、夏なら「蝉時雨」などの言葉が生まれています。