日本の七十二候 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)

旧暦のある暮らし寄稿記事-ことばの遊園地-

 寄稿者:橋本繁美

小満 初候

孵化した蚕が桑の葉を食べる時期。日本では古くから蚕を飼っていて、その繭から絹織物を作ってきた。むかしの人は「お蚕様」と呼んで大切に扱い、白くやわからかな蚕を神聖な存在として見ていたのがわかる。蚕の餌になるのが桑の葉。桑の新芽が伸び始める頃に合わせて、孵化させるように調節されてきたそうだ。蚕の食欲は旺盛で、昼も夜も食べ続け、みるみる成長し、やがて繭を作り、さまざまな人の手が入って、美しい絹糸が誕生する。新暦では、5月21日~25日ごろ)