日本の七十二候 大雨時行(たいうときどきにふる)

旧暦のある暮らし寄稿記事-ことばの遊園地-

 寄稿者:橋本繁美

大暑 末候

夕立や集中豪雨など夏の激しい大雨が時々降るころ。青空にむくむくと湧き上がる入道雲が、突然の雷鳴とともに夕立に変わり、乾いた大地を潤す。夕立はまっ白に煙るように降るので「白雨(しらさめ・はくう)」ともいわれ、低気圧などによる雨ではなく、その場その時限りの局地的な雨。ことわざ「夕立は馬の背を分ける」というのは、馬の背の半分は雨が降っているのにもう半分は濡れてもいないという意味で、ある場所では夕立が降っているのに、その近い場所では晴れている様子を表わす。(新暦8月2~6日ころ)

入道雲、丹波太郎

頭を丸めたお坊さん(入道)にたとえられた入道雲。また蛸入道に似ているところからの呼称とか。雲のなかでも、いちばん親しまれている雲。むくむくとスケールの大きな入道雲は、一般に発達した雄大積雲や積乱雲の日本での俗称。夏に多く発生し、叩きつけるような夕立や雷雨をもたらす。京都や大阪では丹波太郎とも呼ばれる。