寄稿112 円町って響きがいい / 京を歩く

京を歩く寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

中京区西ノ京円町にJR円町駅は、平成12年(2000)の秋に複線化とともにできた山陰本線(最近では「嵯峨野線」の愛称で呼ばれている)の駅。目の前には大型電気チェーン店があり、丸太町通を西に行けば花園、妙心寺の方につながる。地名「円町」とはいい名前だなと思っていたら、実はこの場所は江戸時代にあった獄舎跡。つまり処刑場跡だったそうだ。円町の「円」という漢字の旧漢字「圓」は、かつて「囚」と同じ意味を持ち、囚人を収容する場所であったことを意味するらしい。ま、長い歴史を誇る京都だけに、いろんな形跡があるもんだ。

西大路を北へ向かうと大将軍、西に行けば島津アリーナ京都(京都府立体育館)そして北野白梅町に到着。そこからは中嶋クリニックや紫光会本部も近い。東に行けば、京の花街でいちばん古い上七軒。今頃は北野天満宮の梅も咲き、合格祈願で訪れる人たちで賑わっていることだろう。2月25日の梅花祭ではきれいどころによる野点が有名だ。西大路通をさらに北へ歩けば、桜の名所としてもおなじみの平野神社。西に向かえば、立命館大学。その前には、京都府立堂本印象印象美術館がある。2月19日、3年ぶりにその前を京都マラソンの選手たちが走る。学生たちも給水係を担当したり、吹奏楽部やチアガールズの応援などで、ランナーたちを精一杯応援する風景。以前、大会のボランティアで整備員を仲間たちとやっていたことを思い出す。かつては京都シティハーフマラソンから2019年までの京都マラソンまで、長い間お手伝いさせてもらったものだ。

わら天神、そして金閣寺道前に到着。先日、大雪が降った日、地元の新聞社はしっかり雪に映える金閣寺を紹介していた。ここの入場券が御札になっているのも素敵だ。金閣寺を愉しんだら、さらに西に行けば御室、仁和寺へとつづく。個人的は好きなところだ。西大路通に戻って歩くと、道は大きく東へカーブして通り名が変わる。まっすぐ進めば、北山杉で有名な中川に行ける。右に道なりに進めば、紫野方面。佛教大学のある方向となる。京都市の大きな外周道路の北部、むかしは多くの人を乗せて市電が走っていた。