寄稿139 東西の本願寺をつなぐ六条通/ 京を歩く

京を歩く寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀

一条 戻橋(もどりばし)
二条 生薬屋(きぐすりや)
三条 みやす針(みやすはり)
四条 芝居(しばい)
五条 橋弁慶(はしべんけい)
六条 本願寺(ほんがんじ)

こんな京の数え唄があるように、六条通は東西の本願寺を結ぶ通りだったそうだ。西本願寺(浄土真宗本願寺派本山)まえを起点に、東本願寺(浄土真宗大谷派本山)の北の境をかすめて河原町通まで延びた六条通。その支配下に置かれた寺内町の中軸をなし、現在でも仏具商をはじめ本願寺御用達の店や参拝者の詰所が多いことがわかる。

五条通や七条通はよく耳にすると思うが、このようにちゃんと歴史ある六条通は存在する。歩いてみると道幅は狭く、なかでも西洞院あたりから天使突抜にかけて歩道はキレイに整備されており、なんだか勝手に通るのが悪いように思えてくる。堀川通の手前、油小路通まで来ると神具の老舗や扇子の商店がある。

そういえば、大宮通の花屋町から七条に位置するする龍谷大学大宮キャンパスも西本願寺末寺の僧侶の教育機関「学林」の歴史的系譜を引いているらしい。あの美しい学舎(重要文化財)、正門と奥に見える本館を眺めているだけでうっとりする。ちなみにここが、龍谷大学の発祥の地。