日本の七十二候 雞始乳(にわとりはじめてとやにつく)

旧暦のある暮らし寄稿記事-ことばの遊園地-

 寄稿者:橋本繁美

大寒 末候

鶏が卵を産み始めるころ。鶏が卵を産むために、鳥屋(とや)にこもるという意味の「雞始乳」。かつて、庭に放し飼いにしたので「庭つ(の)鳥」、これが鶏の語源とか。それだけに昔から、日本人との暮らしと結びついてきた鶏。早朝、夜明けを知らせることから「明告鳥」の異名を持つ。江戸時代の人たちは鳴き声を「トウテンコ―」と聞いていたらしい。それに「東天紅」という漢字を当てたと聞く。紅に染まった東の空、夜明けの鳴き声。(新暦では、1月30日~2月3日ごろ)