日本の七十二候 霞始靆(かすみはじめてたなびく)

旧暦のある暮らし寄稿記事-ことばの遊園地-

 寄稿者:橋本繁美

雨水 次候

遠くの山々に薄ぼんやりと春霞がたなびき、ほのかに見える風景に趣が加わるころ。いかにも春らしいのどかさ。気象用語には「霞」はないが、同じ自然現象のものでも、春には霞といい、秋には霧と呼び分けている。さらに、昔の人は、たなびく霞を春の山々の衣装にたとえ、「霞の衣」「霞の袖」「霞の褄」などと呼んでいた。さすがだな、おしゃれがしたくなるような気持にさせてくれる。夜ともなれば、霞は「朧(おぼろ)」にかわる。(新暦では、2月24日~28日ごろ)