寄稿者:橋本繁美
春分 次候
ことしも開花予想にはじまって、桜前線やお花見のことなど、桜のニュースで賑わう時季。桜は「夢見草」という異名をもち、昔の人にとって夢ははかないもの、桜もはかなく散ってしまうところから夢見草といったといわれる。「世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」(在原業平)桜がなければ、春はもっとのんびりしたものになっただろうに…。現代も気持ちは変わらず。蕾ふくらむ、ちらほら、三分咲き、五分咲き、満開近し、満開と知らされる桜の様子。日本地図のあちこちで、ぽっとピンクに染まる春。ここでは「咲」ではなく「開」を用いている。(新暦では、3月26日~30日ごろ)