寄稿55 事始め・「京都・嵐山花灯路」(はなとうろ)

京の旬感寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

事始め(ことはじめ)

事始めは、江戸時代から京に伝わる古い習わしのひとつ。かつては旧暦12月13日、現在は新暦12月13日。煤払いをして正月を迎える準備を始めることから、正月起こしともいわれていた。昔はこの日に門松やお雑煮を炊くための薪など、お正月に必要な木を山へ取りに行く習慣があったそうだ。関西では、この日に餅をついて、主家や師匠の家に御礼に行く風習もあったと聞く。その名残りともいえるのが、京都・祇園甲部の事始め。芸妓・舞妓さんが一重ねの鏡餅を持ち、京舞の井上八千代師匠のもとへ、一年のしめくくりと新年にむけての挨拶に行く。八千代師匠は「おきばりやっしゃ」という激励の言葉とともに、一人ひとりに舞扇を手渡す。毎年、その日の夕方、テレビや新聞で華やかなニュースとなる。

京都・嵐山花灯路(はなとうろ)

12月10日から19日までの10日間、「京都・嵐山花灯路2021」がおこなわれる。嵐山の景観を代表する渡月橋のライトアップをはじめ、周辺の山裾や水辺など、約5㎞にわたって約2500個の灯りによって幻想的な情景を演出する。なかでも、野宮神社から大河内山荘庭園に至る竹林の小径のライトアップが個人的には好きだ。花灯路は、もともと東山一帯で今から20年ほど前に、観光客の冬枯れを防ごうと京都商工会議所・京都市・京都府によって東山花灯路が始められた。残念ながら嵐山花灯路は、今回で17年目の歴史に幕を閉じる。

【京都・花灯路 https://hanatouro.kyoto.travel/】