寄稿63 麗子像の岸田劉生・ 恋風 ・光の春

京の旬感寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿者:橋本繁美

麗子像の岸田劉生

先日、岡崎にある京都国立近代美術館「岸田劉生と森村・松方コレクション」の内覧会に寄せてもらった。近代日本を代表する洋画家・岸田劉生の作品展に、知り合いの方の所蔵品「日本画掛軸・乙女椿」(岸田劉生)が展示されている関係で呼んでもらった。岸田劉生といえば、教科書に載っていた麗子(次女)像の絵でおなじみだ。今回の案内リーフにも登場しているゴッホの影響を思わせる初期の代表作「外套着たる自画像」(大好き!気に入っている)、「麗子裸像」「瓶と林檎と茶碗」など初期から晩年までの80点という大コレクション。よかった、見応えあり。3月6日まで。

恋風

恋風とは、せつなく身にしみる風のことらしい。「恋心のせつなさを、風が身に染みるのにたとえていう語」(デジジタル大辞泉/小学館)。季語ではない。昔の映画を観ると、ずいぶん、恋に対する風当たりが厳しかったようだ。2月といえばバレンタインの季節、チョコレートとともに、幸せを運ぶ恋風が吹くといいな。

光の春

まだまだ寒いこの季節。でも、光はきらきら輝いて、春そのもの。この時期のことを「光の春」と呼ぶと、以前読んだ気象予報官の倉嶋厚さんの本で知った。少しずつ日脚は長くなり、どんよりとした空も明るさを増していく頃となる。はやく、あたたかくなるといいな。