男と着物 - 回想録 -

44 黒紋付と白襦袢を誂えた話

投稿者:ウエダテツヤ ​黒紋付の格好良さには如何なるものも敵わないのではないか、と黒い着物が好きな私は思っている。以前にもお話ししたが、紋が入るということに特別な気がして嬉しく感じるのは私だけではないと思う。さて、そうはいってもこの業界、織...
旧暦のある暮らし

二十四節気 霜降(そうこう) 新暦10月24日頃

寄稿者:橋本繁美 日々、深まっていく秋、朝霜が見られる頃。朝晩の冷え込みが厳しくなり、かすかな冬の到来を予感させる。さらに日が短くなっていくように感じるのは私だけではないはず。初霜の知らせが聞かれるのも大体この頃で、山々は紅葉に染まる。あざ...
寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿48_s 「旦那(だんな)」

寄稿者:橋本繁美 先日、名人、六代目三遊亭圓生の古典落語『百年目』を聴いていて、「だんな」のいわれがあったのでぜひとも紹介したい。南天竺に栴檀(せんだん)という大きな木がある。その下に南縁草という汚い草が生えていた。みっともないというので、...
奄美探訪記と大島紬

寄稿48 奄美の島唄・中村瑞希

寄稿者:橋本繁美 奄美に来るまで、島唄を直接、聴く機会はなかった。最初、宴席で盛り上がると、三線を引きながら島唄が出て、その唄によってまわりは踊りだすという光景を目にしたとき、奄美には独自の素晴らしい島唄があることを知った。その島唄の歌い方...
男と着物 - 回想録 -

43 「知らなくて当然」

投稿者:ウエダテツヤ 前回の投稿(42 綿の着物)で知らない価値に出会ったという話をしたので、「知らない」ということに関して思うこと。 「勉強不足ですみません」とまれに言われることがある。学ぶ楽しさ云々はともかく、不足も何もそもそも勉強する...
寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿46 晩秋小夜曲(ばんしゅうセレナーデ)

寄稿者:橋本繁美 ♪さみしさのつれづれに 手紙をしたためています あなたに…(『心もよう』井上陽水)。「晩秋」と聞けば、寂しさをそそることば。それにしても、すっかり日が暮れるのがはやくなった今日この頃。ふとした瞬間に、せつない気持ちになった...
奄美探訪記と大島紬

寄稿47 奄美の島唄・元ちとせ

寄稿者:橋本繁美 「その声は、百年にひとり。」というキャッチフレーズとともに鳴り物入りで登場した元(はじめ)ちとせさん。彼女が『ワダツミの木』でメジャーデビューして間もない頃。奄美大島瀬戸内町出身の彼女は、島唄で育ったといわれるだけに、地元...
男と着物 - 回想録 -

42 綿の着物を知って

投稿者:ウエダテツヤ ​着物を頻繁に着る以前より綿の着物は着ていたけれど、それまで普段着として着物を着ていなかったこともあって、綿着物=家で洗濯・普段着着物という発想に繋がらなかった私。知った時の驚き、「え?綿着物って家で洗えるの?」はなか...
旧暦のある暮らし

二十四節気 寒露(かんろ) 新暦10月9日頃

寄稿者:橋本繁美 寒露とは、晩夏から初秋にかけて草木に冷たい露が降りること。秋の長雨が終わり、空気が澄み切って清々しい秋の空が続く。この頃になると、朝晩だけでなく、昼間でもひやっとした空気が感じられるようになるが、現代の感覚では、暑くもなく...
奄美探訪記と大島紬

寄稿45 奄美の島唄

寄稿者:橋本繁美 奄美大島ではじめて「島唄」を生で聴いたとき、躰の芯から震えるものを感じた。歓迎会の酒席の場で、初めて見る三線(さんしん)と呼ばれる楽器を手に、グイン(地声から裏声と変わる瞬間的なこぶしの一種)とよばれる独特の歌唱法が心を掴...