男と着物 - 回想録 -

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94 ただ街を歩く事が案外楽しかった

投稿者:ウエダテツヤ 引っ越しは想像以上に着物と私の関係に影響を及ぼした。2015年。それまで住んでいた会社の徒歩圏内のマンションから、少し離れた一軒家へ引っ越した。 会社の徒歩圏内というと、京都の中心地。観光客も含めて人の多い場所だった。...
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93 角帯ベルト Arizona

投稿者:ウエダテツヤ 角帯型のベルトを作ったのは2016年なので考えたのは2015年ごろ。 そもそもは帯を簡単にする気は無かった。兵児帯はクルクル巻いて蝶々結びでOKなのでハードルは低いし、たとえ角帯でも難しいものではないと思っていたからだ...
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92 新しい業界、素材を探した話

投稿者:ウエダテツヤ 前述でGritterのデザインのことに触れたけれど、そもそも生地の製造元は着物用として生地生産は行っていない。今回はそこに辿り着くまでの話。 オリジナルの綿着物を考えようと思ったのは綿着物を意識し始めてしばらく経った頃...
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91 着物のデザイン Gritter

投稿者:ウエダテツヤ (つづき)Gritterは輝くGlitterと方眼のGridを合わせた造語だ。輝くというのはラメが入っているところから由来するのだけれど、一方のGridは大島紬の設計図に方眼紙を用いるところからヒントを得て、デザイン、...
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90 龍郷柄から着物のデザインに興味

投稿者:ウエダテツヤ ↑前回投稿 (つづき)大島紬の伝統柄に「龍郷(たつごう)柄」と呼ばれるものがある。奄美大島龍郷町を起源とするその柄は菱形のような文様を基礎に様々な柄が存在する。 私がデザインに興味を持ったのはそんな龍郷柄をアレンジした...
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89 着物のデザインをするまでの話

投稿者:ウエダテツヤ 初めて着物をデザインしたのは2006年、大島紬のデザインを描いたのがはじめだった。なんとも贅沢な経験なのだけれど、これは私が大島紬技術指導センター(今はありません)で後継者育成のための勉強をさせてもらったころに、自分で...
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88 不満を捉え形にしよう

投稿者:ウエダテツヤ (つづき)刺激がなくなるまでは着物を知る楽しさや周りの反応、そこから生まれる人との関係に暫く浸り、着物に対してあるべき姿は何かと考えていた。 40 「腑に落ちる」探しでも記載した帯を巻く理論のように自分の落とし所、納得...
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87 義務感で着物を着る限界

投稿者:ウエダテツヤ 毎日のように着物を着て何年か経つと、徐々にそれは私にとっての普通になった。もちろん良い意味で習慣、日常のライフスタイルとして獲得したのかもしれないけれど、それよりも「刺激が感じられない」という良くない意味合いが大きかっ...
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86 袴とシャツ

投稿者:ウエダテツヤ 2013年頃には様々なメーカーが台頭しつつあり、面白い発想のものがあった。10年近く経った今も続くものもあれば、既に事業転換され今はないものもあるけれど、少なくともその多くがそれまでの窮屈さから一気に解放されるような熱...
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85 話し掛けられること。

投稿者:ウエダテツヤ 着物を着て突然話しかけられることが増えた。というか洋服だけを着ていた頃は話しかけられるのは道ぐらい。着物を着ているといろいろと話しかけられる。 「素敵ですね」なんてほめられると嬉しい。 「私も若い頃は着物を着ていたのよ...