京の旬感

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寄稿19 京は「ぼた餅」

寄稿者:橋本繁美 春のお彼岸が近づくと「ぼた餅」が店頭に並ぶ。一般的に、春は牡丹が咲く頃なので「ぼた餅」、秋は萩の花で「おはぎ」といわれる。個人的に、京都寺町にある菓子舗・仙太郎さんの「ぼた餅」が好きだ。以前にもらったこの店の冊子(著者:直...
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寄稿18 比良八講(ひらはっこう)、荒れじまい

寄稿者:橋本繁美 関西では「奈良のお水取り」終わらないと、春は本格的に暖かくならないといわれる。奈良県の東大寺二月堂では、毎年、3月1日から14日まで修二会(しゅにえ)がおこなわれる。修二会は人々に代わって罪を懺悔し、天下泰平や五穀豊穣を祈...
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寄稿16_1 梅の花。

寄稿者:橋本繁美 東風吹かば匂ひおこせよ梅の花 主なしとて 春を忘るな(春な忘れそ) おなじみのこの歌は、菅原道真が無実の罪を着せられて太宰府へ左遷される前に、だいじにしていた梅の木を前にして詠んだ作品。現代語訳「春風が吹いたら、匂いを(京...
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寄稿15 京の冬のたのしさ。

寄稿者:橋本繁美 三条大橋 寒い日ほど、しゃんと背をのばして、三条の大橋を渡る。比叡の山から吹きおろした川風は、思わず足を早めたいほど冷たいけれど、60歳を過ぎたら、このきびしさが好きになった。まあ、寒さとも仲良ういたしまひょ。 そんな晩に...
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寄稿14_1 「寒おすなあ。よお、お参りやした」

寄稿者:橋本繁美 一年の始まりに、心密かに願いをかける初詣。本来なら、大晦日から元旦にかけて、京都の神社やお寺では新年を祝う参拝者で賑わうはずだったが、ご存知のとおりコロナ禍で静寂そのものだった。というのもご縁あって、新春早々から「お稲荷さ...
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寄稿13 底冷えの京の冬

寄稿者:橋本繁美 ブルッときたのは、寒さのせいだけかなぁ。こういう時のほうが、むしろ感じやすかったりするって言うものね。JR東海「そうだ 京都、 いこう。」1995東寺(教王護国寺)コピーライター太田恵美さんのコピーより 寒い日が続きますね...
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寄稿12 新年は、愛宕詣りから。

寄稿者:橋本繁美 前回は奄美大島の金作原原生林を紹介したので、今回は京都の愛宕山を紹介したい。というのは、今から十年ほど前までは、枡儀さんところの新年会は、愛宕山に登って、火伏せ・防火に霊験あらたかな愛宕神社にお詣りし、帰りは水尾の方面へ下...