奄美探訪記と大島紬

コピーライター 橋本繁美氏の寄稿記事。社員でもなく、着物のユーザーでもない視点で描く奄美探訪記と大島紬。

奄美探訪記と大島紬

寄稿92 大島紬という本物の魅力

寄稿者:橋本繁美 ファッション化からカジュアル化へ。きものは「作る」「売る」「着る」といった密接な連携で成り立っているといわれる。逆から考えれば、きものを着るものがいなければ売れない。売れなければ作ることもできない。ではどうすべきか。まして...
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寄稿91 大島紬の魅力を発信するために

寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀 奄美大島で生まれる大島紬。図案作成から完成するまでに沢山の工程があり、実に緻密な作業の連続だけに、現場を見てきた私には大島紬の価格には納得できる。だが、一部の富裕層だけをターゲットにしていたのではますます大島紬...
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寄稿90 印象的な濡羽色(ぬればいろ)

寄稿者:橋本繁美 大島紬のあの黒はどうやって出すのだろう。艶やかなカラスの羽のような濡羽色はどのような工程で生まれるのか。大島紬に出会ったとき、不思議に思った。黒く艷やかな女性の髪の毛を形容する言葉として用いられてきた濡羽色が印象的だった。...
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寄稿88 精緻な絣。技の出会う瞬間。

寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀 前回記事はこちら 織工はまず「立て付け」という、機(はた)にタテ糸をセットする作業をおこなう。この作業は立て付け専門の職人が行うこともある。 千切に巻いたタテ地糸と、板巻きしたタテ絣糸を図案に合わせて配列する。...
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寄稿87 それぞれ糸の工程が命、大島紬

寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀 絣全解、またはバラ裂きの工程のあと、絣糸を1種類ずつ木枠に巻き取る。この作業を「揚枠(あげわく)」という。絣糸は水洗し、糊付け。そのあと、16本ほどの糸束となっているタテ絣糸を1本1本バラバラにしながら糊張り台...
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寄稿86_1 沢山の手技と思いがこめられた大島紬

寄稿者:橋本繁美 大島紬は多くの人の手と長い時間をかけて生まれる。その工程は大きく分けると30といわれている。少し前に書いた整経、糊張りに続いて、絣締(かすりじめ)がある。図案に沿って紋様部分を固く織り込む作業で、一度目の織りともいわれる。...
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寄稿84 糊張りの体験

寄稿者:橋本繁美 かなり前に、大島紬の工程のひとつ「糊張り」を見せてもらったことがある。およそ50※1メートルに張り巡らせた糸に糊をつける作業だ。指の間を糸を通すことで4~5本※2の糸に糊づけができる。体験させてもらったが、素人にはなかなか...
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寄稿83 泥染の発見

寄稿者:橋本繁美 えっ、奄美に続いて本州も梅雨明け。まだ6月というのに信じられない異常気象みたいだ。ま、天気の話はおいといて、前回に続き、泥染について以前、聞いたことを紹介しよう。 大島紬が誕生したのは江戸中期といわれている。テーチ木と称す...
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寄稿82 大島紬といえば泥染め

寄稿者:橋本繁美 奄美大島は、梅雨が明けたという。京都はまだ梅雨入りしたばかり。おそらく梅雨が明けるのは7月17日の祇園祭前祭(さきまつり)山鉾巡行が終わる頃だろう。といっても、連日、雨が降っているわけではない。どんよりとした空模様で、湿度...
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寄稿50 奄美の島唄の特徴

寄稿者:橋本繁美 三線(さんしん)や指笛とともに唄われる島唄。その特徴は何といっても哀感漂う高音の裏声である。神谷裕司著『奄美、もっと知りたい』(南方新社)から引用させてもらうと、 ①歌詞の発生は、宗教と関係しており、裏声は奄美のシャーマン...