旧暦のある暮らし

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日本の七十二候 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

寄稿者:橋本繁美 大暑 初候 もっとも暑い期間とされる大暑のこの時期、花が終わると卵形の固い実がなるころをさす。一般でいう桐は4~5月の初めごろに、枝先に釣鐘型の薄紫色の花を咲かせる。古来、桐と青桐はよく混同されてきた。どちらも大きな葉を茂...
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日本の七十二候 鷹乃学習(たかすなわちわざをまなぶ)

寄稿者:橋本繁美 小暑 末候 ことし生まれた鷹の子が、飛び方を学ぶ時期。巣のなかで何度も羽ばたきを繰り返し、近くの枝に飛んで移ったりして、やがて独り立ちし、羽ばたいていく。鷹は高く飛ぶから「高(たか)」、猛き鳥だから「たけ→たか」、速く飛ぶ...
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日本の七十二候 蓮始開(はすはじめてひらく)

寄稿者:橋本繁美 小暑 次候 蓮の花が開き始めるころ。もともと蓮は、蓮の実が蜂の巣に似ていることから「はちす」と呼ばれ、それが変化して「はす」になったと聞く。泥のなかで育まれたとは思えないほど、美しく清らかな花を咲かす。まさに「泥より出でて...
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日本の七十二候 温風至(あつかぜいたる)

寄稿者:橋本繁美 小暑 初候 あたたかい南風が吹くころ。温風と聞くと、どうしても暖房器具などの風を思い浮かべてしまうが、本来はあたたかい南風のことをさし、夏の季語にもなってある、その温風も、梅雨の時期にしたがって、呼び名が変わる。梅雨入りの...
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日本の七十二候 半夏生(はんげしょう)

寄稿者:橋本繁美 夏至 末候 半夏生は七十二候のなかの雑節の一つ。ここでいう「半夏生」は、サトイモ科の烏柄杓(からすびしゃく)のこと。細長い袋のような花は、小さな小さな柄杓のようで、鳥が使う柄杓ということからこの名がついたとか。この時期にド...
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日本の七十二候 菖蒲華(あやめはなさく)

寄稿者:橋本繁美 夏至 次候 その名のとおり、菖蒲が咲くころ。ことわざに優れたもの同士をたとえる表現として「いずれ菖蒲か杜若(かきつばた)」がある。どちらも素晴らしくて選択に迷うことだが、菖蒲も杜若も比べられないほど美しく、花もよく似ている...
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日本の七十二候 乃東枯(なつかれくさかるる)

寄稿者:橋本繁美 夏至 初候 「乃東(だいとう」とは「夏枯草(なつかれくさ・かこそう)」のこと。夏枯草は「靭草(うつぼぐさ)」の異称といわれる。むかし、武士が矢を入れるのに使った道具「靭」に似た花穂をつけるため靭草と呼ばれるようになったと聞...
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日本の七十二候 梅子黄(うめのみきばむ)

寄稿者:橋本繁美 芒種 末候 梅の実が熟して色づくころ。早春を告げる梅の花、『万葉集』では桜よりずっと多く詠まれている。それだけ日本人に愛されてきた花と言える。現在では食用としての実梅と、花を鑑賞するための花梅に分けられ、多くの品種があるそ...
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日本の七十二候 腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)

寄稿者:橋本繁美 芒種 次候 蛍が光り出すころ。朽草(くちくさ)とは蛍の異名をさす。最近、なかなか観ることが難しくなった蛍。短い命を燃やしながら舞い飛ぶ姿は、しばしば恋の思いを重ねて歌に詠まれてきた。 恋に焦がれて鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を...
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日本の七十二候 蟷螂生(かまきりしょうず)

寄稿者:橋本繁美 芒種 初候 細長い体に鎌のような独特の前脚、逆三角の頭。そんな蟷螂が出てくる時期。蟷螂が獲物を狙う動作は、後脚で体を支え、前脚を合わせて、まるで神に祈りを捧げているように見える動作はとてもユニーク。そんなところから、「おが...