旧暦のある暮らし

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日本の七十二候 麦秋至(むぎのときいたる)

寄稿者:橋本繁美 小満 末候 麦の穂が黄金に揺れて実る。麦が熟す時期を「麦秋」、または「麦の秋」という。ここでいう秋は実りのときの意。かつては、あちこちで見られた麦秋も珍しい風景となってしまった。幼少のころ、学校帰りに麦畑のなかに入り、黒く...
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日本の七十二候 紅花栄(べにばなさかう)

寄稿者:橋本繁美 小満 次候 紅花が盛んに咲く時期。咲き始めは黄色だが、次第に赤みを増していく。紅花といえば、最近では良質の食用油かもしれないが、この花から紅色の染料、口紅、頬紅など化粧品のもとになったといわれる。「紅(くれない)」という言...
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日本の七十二候 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)

寄稿者:橋本繁美 小満 初候 孵化した蚕が桑の葉を食べる時期。日本では古くから蚕を飼っていて、その繭から絹織物を作ってきた。むかしの人は「お蚕様」と呼んで大切に扱い、白くやわからかな蚕を神聖な存在として見ていたのがわかる。蚕の餌になるのが桑...
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日本の七十二候 竹笋生(たけのこしょうず)

寄稿者:橋本繁美 立夏 末候 竹笋(ちくじゆん)は筍のこと。そう、筍が生えてくる時期。「朝掘り」といって、夜明けとともに掘っていただく筍がいちばん柔らかで美味しい。ご存知のように筍は成長がはやく、「筍の親優り」という諺があるように、まさしく...
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日本の七十二候 蚯蚓出(みみずいずる)

寄稿者:橋本繁美 立夏 次候 蚯蚓が地上に這い出す時期。普通、土の中を動き回って通気性をよくし、土壌を肥やすといわれる蚯蚓。むかしの人は、土の中から聞こえてくる「ジィー、ジィー」と聞こえてくる螻蛄(おけら)の声を、蚯蚓のものだと勘違いしてい...
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日本の七十二候 鼃始鳴(かわずはじめてなく)

寄稿者:橋本繁美 立夏 初候 田植えの準備が始まり、野原や田んぼで蛙が鳴き始める頃。鼃は蛙のこと。冬眠から覚めて、春を喜んでいるかのように大合唱の蛙たち。ちなみに蛙の語源は、なんと「帰る」とある。蛙は必ず元のところに帰ってくる習性があるから...
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日本の七十二候 牡丹華(ぼたんはなさく)

寄稿者:橋本繁美 穀雨 末候 牡丹の開花が見られる時期。牡丹は百花の王と呼ばれ、華やかに大きな花がゆったりと咲く。「立てば芍薬(しゃくやく) 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」。美しい女性のたとえとして、よくひきあいに出される。「丹」は赤を、「...
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日本の七十二候 霜止出苗(しもやみてなえいずる)

寄稿者:橋本繁美 穀雨 次候 稲の種は、直接、田んぼに蒔かず苗代で育てる。20センチほど生長してから、田へ移して植える。その苗がいきいきと育つ時期。最近では、機械化が進み、むかしのように早乙女さんによる手植えは見られなくなったが、元気に育っ...
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日本の七十二候 葭始生(あしはじめてしょうず)

寄稿者:橋本繁美 穀雨 初候 葭が芽吹き始めるころ。かつて日本の水辺には、いたるところに葭が生えていたそうだ。古代、日本は「豊葦原の瑞穂の国」(豊かに葭の生い茂った、瑞々しい稲穂が実っている国)と呼ばれていたほど。葭の葉や茎は長くて丈夫なと...
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日本の七十二候 虹始見(にじはじめてあらわる)

寄稿者:橋本繁美 清明 末候 虹が出始めるころ。虹は大気中の水滴がプリズムの役割をしてできるもの。それだけに、雨が多く雨粒も大きい夏は色鮮やかに見える。雨量が少ない春の虹は、まだ淡く、すぐに消えてしまう感じ。赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、これ...