旧暦のある暮らし

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日本の七十二候 鴻雁北(こうがんかえる)

寄稿者:橋本繁美 清明 次候 「鴻雁」は大きな雁をさし、燕とは対照的に、春になれば北へと帰っていく渡り鳥。冬鳥の雁は秋に日本にやって来て、あたたかくなると北へ帰っていく。以前にも紹介したが、雁は木切れをくわえて渡って来るといわれ、それは途中...
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日本の七十二候 玄鳥至(つばめきたる)

寄稿者:橋本繁美 清明 初候 燕は渡り鳥。春、南国で冬を過ごした燕が渡ってくるころ。燕は夏鳥の代表といわれる。玄鳥(げんちょう)は燕の異称。玄は黒を意味するので黒い鳥。黒い背中と白いお腹。燕尾服という名の元になった、ふたつに切れ込んだ長い尾...
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日本の七十二候 雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)

寄稿者:橋本繁美 春分 末候 雷が鳴り始める時期。雷は一年中鳴るが、立春以降の雷は一般に「春雷」と呼ばれる。この特徴は寒気と暖気が接触して、雷が鳴りやすくなるそうだ。また、夏と違って連続で鳴らず、一つや二つで鳴りやむこと。待ち焦がれていた春...
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日本の七十二候 桜始開(さくらはじめてひらく)

寄稿者:橋本繁美 春分 次候 ことしも開花予想にはじまって、桜前線やお花見のことなど、桜のニュースで賑わう時季。桜は「夢見草」という異名をもち、昔の人にとって夢ははかないもの、桜もはかなく散ってしまうところから夢見草といったといわれる。「世...
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日本の七十二候 雀始巣(すずめはじめてすくう)

寄稿者:橋本繁美 春分 初候 雀が巣を作り始めるころ。いつでも身近にいる雀だけになじみ深い鳥。そのわりには、雀の巣は見かけないが、なんでも軒先の瓦の下に、枯れ草や藁で巣を作るらしい。昔話『舌切り雀』に「雀のお宿」が出てきたのを思い出す。巣は...
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日本の七十二候 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

寄稿者:橋本繁美 啓蟄 末候 菜虫とは、大根やキャベツなど、アブラナ科の植物を食べる虫のこと。その代表が、あの紋白蝶の幼虫、青虫のことをいう。青虫は何度か脱皮を繰り返し、さなぎになって羽化して蝶になる。ひらひらと舞い飛ぶ蝶を見ていると、春の...
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日本の七十二候 桃始笑(ももはじめてさく)

寄稿者:橋本繁美 啓蟄 次候 桃といえば、3月3日の桃の節句、雛祭。桃のつぼみがほころび、花が咲き始めるころ。 昔は花が咲くことを「笑う」と表現した。その代表といえる「山笑う」は春の季語で、芽吹き始めた山の形容だ。桃の花は、梅と桜の間を縫う...
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日本の七十二候 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)

寄稿者:橋本繁美 啓蟄 初候 「啓蟄」と同じ意味。土のなかでじっとうずくまっていた虫たちが、春の気配を感じて活動を開始するころ。「蟄虫」(ちつちゅう)とは、土のなかに閉じこもっている虫のこと。昔は爬虫類や両生類も「虫」と呼んでいたそうだ。ち...
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日本の七十二候 草木萌動(そうもくめばえいずる)

寄稿者:橋本繁美 雨水 末候 草木が芽を出し始めるころ。「草萌え」「下萌」というらしい。木々の新しい芽を吹くころを「木の芽時」といい、この時期に冷え込めば「木の芽冷え」、雨が降れば「木の芽雨」、風が吹けば「木の芽風」というように、新芽を通し...
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日本の七十二候 霞始靆(かすみはじめてたなびく)

寄稿者:橋本繁美 雨水 次候 遠くの山々に薄ぼんやりと春霞がたなびき、ほのかに見える風景に趣が加わるころ。いかにも春らしいのどかさ。気象用語には「霞」はないが、同じ自然現象のものでも、春には霞といい、秋には霧と呼び分けている。さらに、昔の人...