旧暦のある暮らし

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日本の七十二候 鶺鴒鳴(せきれいなく)

寄稿者:橋本繁美 白露 次候 鶺鴒が鳴き始めるころ。鶺鴒は雀より少し大きく、背の色が黒くほっそりした鳥で、尾が長いのが特徴。「チチッチチッ」と鈴のように高い声を放ちながら、秋の澄み渡った空をさわやかに飛びかう。『古事記』では日本神話の伊弉諾...
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日本の七十二候 草露白(くさのつゆしろし)

寄稿者:橋本繁美 白露 初候 野の草に降りた朝露が白く輝くように見えるころ。大気が冷え、草の葉先にできる玉のことを「白露」という。空気が澄んで、月が美しく見える季節。露は「月の雫」とも呼ばれ、秋の季語にもなっている。秋の訪れをいつくしむよう...
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日本の七十二候 禾乃登(こくものすなわちみのる)

寄稿者:橋本繁美 処暑 末候 いよいよ実りの季節、稲が実る時期。「禾」は稲が穂を垂れている様子をかたどった象形文字で、稲を表わす。「登」は実る、成熟する意をもつ。穂波は黄金色の穂が波のように風になびく様子。穂並は穂が出そろって並んでいる様子...
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日本の七十二候 天地始粛 (てんちはじめてさむし)

寄稿者:橋本繁美 処暑 次候 暑さがようやくおさまりはじめるころ。「粛」は縮む、しずまる、弱まるという意味で、まだ暑さは残るものの、時折吹く風の涼しさや虫の声などで、夏の終わりを実感する季節。日本の雑節のひとつに「二百十日」があり、立春から...
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日本の七十二候 綿柎開 (わたのはなしべひらく)

寄稿者:橋本繁美 処暑 初候 綿を包む「柎(はなしべ)=花のがく)」が開き始めるころ。 綿は7~9月にかけて黄色い花を咲かせ、実をつけるが、その実はやがてはじけ、ふわふわとした白い綿毛が顔をのぞかせる。ちなみに綿は、植物としての呼び名は「わ...
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日本の七十二候 蒙霧升降(ふかききりまとう)

寄稿者:橋本繁美 立秋 末候 蒙霧(もうむ)は、もうもうと立ち込める深い霧のことで、秋の深まりを感じるころ。霧は地表や水面の近くで水蒸気が非常に細かい水滴となって漂う現象、特に盆地で発生しやすい。古代の人々は、ため息が霧になると思っていたの...
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日本の七十二候 寒蟬鳴(ひぐらしなく)

寄稿者:橋本繁美 立秋 次候 夏の終わりを告げるかのように、寒蟬が鳴くころ。日が暮れてから鳴くところから「ひぐらし」という名がついた。日暮れだけでなく、早朝や曇った日にも鳴くが、明るい日中は鳴かない。「かなかな」と高く澄んだ鳴き声は、過ぎ行...
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日本の七十二候 涼風至 (すずかぜいたる)

寄稿者:橋本繁美 立秋 初候 立秋となり、涼しい風が吹きはじめるころ。まだまだ残暑は厳しいものの、夕暮れになればどことなく涼しげな風が吹き、草むらから虫たちの音色が聞こえはじめる。さわやかな秋の訪れ、季節の移ろいが感じられるようになってくる...
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日本の七十二候 大雨時行(たいうときどきにふる)

寄稿者:橋本繁美 大暑 末候 夕立や集中豪雨など夏の激しい大雨が時々降るころ。青空にむくむくと湧き上がる入道雲が、突然の雷鳴とともに夕立に変わり、乾いた大地を潤す。夕立はまっ白に煙るように降るので「白雨(しらさめ・はくう)」ともいわれ、低気...
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日本の七十二候 土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)

寄稿者:橋本繁美 大暑 次候 土が湿り、蒸し暑くなるころ。「溽暑 (じょくしょ)」とは、じっとりと蒸し暑いことを表わす。ここでいう草熱(くさむれ)とは、生い茂った草むらが、強い陽射しに照らされて放つ、むせかえるような熱気のこと。「草の息」と...