寄稿記事-ことばの遊園地-

京を歩く

寄稿129 なぜか美意識が騒ぐ古門前通/ 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 知恩院といえば、法然上人のお念仏の教えを伝える浄土宗の総本山。山号は華頂山。綾傘鉾でもお世話になっている華頂短大のあるところ。以前にも登場した一本橋(行者橋)もすぐ近く。ここから知恩院までは華頂学園のある華頂通を経て東に向...
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卯の花色(うのはないろ)/白百合色(しらゆりいろ)

寄稿者:橋本繁美 卯の花色(うのはないろ) 卯の花のようなわずかに黄みがかった白色。卯の花は初夏に小さい白い花が枝いっぱいに咲く空木(うつぎ)。可憐な卯の花の白さが雪のように見えることから「雪見草」とも呼ばれ、平安時代には「雪かとまがう」と...
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寄稿128 西洞院通と天使突抜通/ 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀 西洞院(にしのとういん)にご縁をいただいてどれくらい経つのだろうか。40年ほど前、浴衣の洗濯で四条西洞院にあったクリーニング屋さんから始まったのは確かだ。今はマンションに変わってしまったが、その近くに事務所が引...
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青丹(あおに)/苔色(こけいろ)

寄稿者:橋本繁美 青丹(あおに) 青丹は岩緑青(いわろくしょう)の古名。青土のような暗く鈍い黄緑色をいう。青土は「あおに」と読まれ、「青丹」と書かれるようになる。「丹」は土の意味。ちなみに、もともとは青土とかいて「あおに」と読んでいた。『万...
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寄稿127 了頓図子(りょうとんのずし) / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 編集:枡儀 以前に、膏薬図子を紹介したが、今回は「了頓図子(辻子)」。三条通の室町と新町の間、三条から六角へ抜ける衣棚通に図子がある。この辺りは、戦国時代の茶人・廣野了頓(ひろのりょうとん)の屋敷があったところ。屋敷の南側...
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群青色(ぐんじょういろ)/茄子紺(なすこん)

寄稿者:橋本繁美 群青色(ぐんじょういろ) 紫みがかった深い青色。鉱物の藍銅鉱(アズライト)を原料とする岩群青を使った顔料。同じく、ラテン語で青い石を意味する「ラピス・ラズリ」が瑠璃と知られるまでは、最も美しい青とされていた。日本画の水の表...
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寄稿126 京の七口のひとつ荒神口 / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 荒神口通は、東は川端通から荒神口橋を渡り、西へ京都地方法務局を経て河原町通を渡り、清荒神(護浄院)、鴨沂高校から寺町通まで。鴨川に架かる荒神橋からは五山の送り火のうち「大文字」がよく眺望できる。かつて学生運動が盛んだった頃...
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空色(そらいろ)/瑠璃色(るりいろ)

寄稿者:橋本繁美 空色(そらいろ) 晴れた日の空のような明るい青色をさす。「空天色(くうてんしょく)」や「碧天(へきてん)」といった美しい別名をもつ。藍による下染の色のひとつとしてあげられ、中色(なかいろ)ともいって花色と浅葱の間の色調であ...
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寄稿125 喧噪のなかに静寂な膏薬図子 / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 京都には、家と家のあいだに「辻子・図子(ずし)」や「路地(ろーじ)」といわれる細い道が点在している。まるで迷路みたいで子どもたちの遊び場になっていたのは昔の話か。辻子と路地との違いは、通り抜けられる路が辻子。行き止まり(ど...
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支子・梔子(くちなし)/菖蒲色(あやめいろ)

寄稿者:橋本繁美 支子・梔子(くちなし) 「支子」は「梔子」とも書き、アカネ科の常緑低木。夏開く花は芳香があり、その実で染めた色。支子の単一染はあたたかみのあるやや赤みがかった黄色で「黄支子」といわれる。古くから黄色を染めるために用いられた...