寄稿記事-ことばの遊園地-

京を歩く

寄稿124 偉人たちがいた高辻通 / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美東は鴨川の西から西は梅津まで続く高辻通。昔の資料によると、堀川通の東、醒ケ井あたりが高地のため、高辻通と呼ばれたというらしい。そこには、高辻通の寺町から烏丸間は昭和の初期までは箪笥、鏡台、調度品、漆器などの家具屋街だったが、...
日本の色を愉しむ

藤色(ふじいろ)/牡丹色(ぼたんいろ)

寄稿者:橋本繁美藤色(ふじいろ)やや青みがかった淡い紫。藤の花に似た澄んだ色を出すために蓼藍と紅花をかけ合わせている。紫が至上の色だった平安朝で、女性の美しさを引き立てる高貴な色とされてきた。藤はマメ科のツル性落葉大木で、ノダ藤はツルが右巻...
日本の色を愉しむ

山吹色(やまぶきいろ)/躑躅色(つつじいろ)

寄稿者:橋本繁美山吹色(やまぶきいろ)目にもまぶしい鮮やかな赤みを帯びた黄色。桜が終わる晩春に咲くバラ科の低木、山吹の花の色で、平安時代から明るい黄色に使われる伝統色名。その姿は、のどかな春から生命の躍動する夏へ、季節の移ろいを体現している...
京を歩く

寄稿123 歴史と文化の香り仁王門通 / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美川端通から仁王門通に入ると、北側に頂妙寺(ちょうみょうじ)という立派なお寺がある。この寺の仁王門が通り名の由来と聞く。このあたりは東大路通の交差点あたりまでは寺院が実に多い。それは、宝永5年(1708)の京都大火の後、寺町通...
京を歩く

寄稿122 高瀬川と木屋町通 / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美静かなせせらぎの音を立てながら流れる高瀬川。その川べりの桜たちが花のトンネルをつくり華やぐ木屋町通。ここは慶長16年(1611)、角倉了以によって計画され、長い歳月をかけて開通した高瀬川は京と大坂を結ぶ運河だった。その出発点...
日本の色を愉しむ

菜の花色(なのはないろ)/萌黄(もえぎ)

寄稿者:橋本繁美菜の花色(なのはないろ)春の訪れに欠かせない菜の花。ほんの少し明るい緑が入った鮮やかな黄色。もとは菜種(なたね)色と呼ばれた花の色。菜種(油菜)は種から油らを採取するために栽培され、食用油のほか工業用に用いられた。黄色く染め...
寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿122-s 「心が動くまま、感じた形を描いた」

寄稿者:橋本繁美4月4日から京都市京セラ美術館(市美)で「日本画・石本正(いしもとしょう)」生誕100年回顧展が開かれている。数年前に中信美術館で展覧会があって喜んで足を運んで、浜田市立石正美術館(島根県)に行きたいと思いつつ、コロナで断念...
京を歩く

寄稿121 細い路地がたまらない先斗町 / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美先斗町(ぽんとちょう)は、鴨川と木屋町通の間にある京都を代表する花街のひとつ。南北に約500メートル、道幅は2メートルにも満たない先斗町通。千鳥マークのちょうちんが揺れる細い道の両脇に、芸舞妓さんたちの稽古場や茶屋、割烹など...
日本の色を愉しむ

蘇芳香(すおうこう)/一斤染(いっこんぞめ)

寄稿者:橋本繁美蘇芳香(すおうこう)蘇芳香とは、ややくすみ気味の紅みの褐色をいう。蘇芳とは、染料となる植物の名前でマメ科の植物で、中国から日本に入ってきたのは8世紀以前といわれる。「香」の名前がつくように香りのよい丁子(ちょうじ)で染めた香...
日本の色を愉しむ

桜鼠(さくらねずみ)/小豆色(あずきいろ)

寄稿者:橋本繁美桜鼠(さくらねずみ)京都市内の桜も少しずつ咲き始めた。春は桜三月、咲けば咲いたで雨や風といった天気がきになる。さて、桜鼠とは、淡い紅色が灰色あるいは灰色みをおび、わずかにくすんだ薄い桜色のことをいう。いわゆる墨染(すみぞめ)...