寄稿記事-ことばの遊園地-

旧暦のある暮らし

日本の七十二候 霞始靆(かすみはじめてたなびく)

寄稿者:橋本繁美 雨水 次候 遠くの山々に薄ぼんやりと春霞がたなびき、ほのかに見える風景に趣が加わるころ。いかにも春らしいのどかさ。気象用語には「霞」はないが、同じ自然現象のものでも、春には霞といい、秋には霧と呼び分けている。さらに、昔の人...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 土脉潤起(つちのしょううるおいおこす)

寄稿者:橋本繁美 雨水 初候 「脉」は「脈」の俗字といわれ、土が脈打っているかのよう。早春の雨が降り注ぎ、大地が潤いめざめるころ。土がいくらか湿り気を含みだす時期。街を離れて、土の息吹が感じられる畑や田んぼに出かけよう。(新暦では、2月19...
京の旬感

寄稿65  美女に囲まれて ・木芽月

寄稿者:橋本繁美 美女に囲まれて 寒い日が続いている。さすが2月を別名如月(きさらぎ)というだけあって、寒くてさらにキヌを着るという意味がわかるような気がする。語源はキヌサラ、衣更着と書いたそうだ。体の芯まで冷えるこの時期に、これでもか言う...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 魚上氷(うおこおりをいずる)

寄稿者:橋本繁美 立春 末候 ♪春になれば 氷(しが)こもとけて どじょっこだのふなっこだの 夜が明けたとおもうべな(東北地方のわらべうた「どじょっこふなっこ」) 寒い間、水の底でじっとしていた魚たちが、水がぬるんで割れた氷の間から、元気に...
寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿64 建国記念日・くしゃみ

寄稿者:橋本繁美 建国記念日 雲に聳(そび)ゆる高千穂の高嶺(ね)おろしに草も木も そのような歌を斉唱し、紅白の饅頭をもらって帰ったという紀元節。大正生まれの人から聞いた話。この日が神武即位という架空の伝説を記念する日だったそうだ。 日本書...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 黄鶯睍睆(うぐいすなく)

寄稿者:橋本繁美 立春 次候 鶯がもうすぐ鳴きはじめるころ。鶯は「春告鳥」。春になって初めて聴く鶯の声を「初音(はつね)」といい、昔から心待ちにしていたという。睍睆(けんかん)とは、姿が美しいことや声の清らかなことをさす。(新暦では、2月9...
京の旬感

寄稿63 麗子像の岸田劉生・ 恋風 ・光の春

寄稿者:橋本繁美 麗子像の岸田劉生 先日、岡崎にある京都国立近代美術館「岸田劉生と森村・松方コレクション」の内覧会に寄せてもらった。近代日本を代表する洋画家・岸田劉生の作品展に、知り合いの方の所蔵品「日本画掛軸・乙女椿」(岸田劉生)が展示さ...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 東風解凍(はるかぜこおりをとく)

寄稿者:橋本繁美 立春 初候 東風吹かば にほひおこせよ 梅の花主なしとて 春な忘れそ  (菅原道真)  春は東からやってくる。だから東風は春を呼ぶ風。昔の人たちはそう考えていた。日本では古くから「こち」と呼ばれていた。梅は「春告草」といわ...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 雞始乳(にわとりはじめてとやにつく)

寄稿者:橋本繁美 大寒 末候 鶏が卵を産み始めるころ。鶏が卵を産むために、鳥屋(とや)にこもるという意味の「雞始乳」。かつて、庭に放し飼いにしたので「庭つ(の)鳥」、これが鶏の語源とか。それだけに昔から、日本人との暮らしと結びついてきた鶏。...
寄稿記事-ことばの遊園地-

寄稿62 春一番

寄稿者:橋本繁美 ♪もうすぐ春ですね 恋をしてみませんか…でおなじみのキャンディーズの「春一番」、(作詞・作曲・編曲:穂口雄右)。春の訪れを告げる春一番は心が弾む。ところで、春一番とは、立春を過ぎて最初に吹く南寄りの強い風。寒い冬が去り、暖...