寄稿記事-ことばの遊園地-

日本の色を愉しむ

翠色(すいしょく)/弁柄色(べんがらいろ)

寄稿者:橋本繁美 翠色(すいしょく) 冬の鳥カワセミは、美しく輝く渓流の宝石と呼ばれ、その羽色は緑青や紫がかった青色まで幅広い。漢字で翡翠と書き、雄を翡、雌を翠という。カワセミの名の由来は青土(そに)で、川に棲むセミが語源。セミが青土に変化...
日本の色を愉しむ

鬱金色(うこんいろ)/蜜柑色(みかんいろ)

寄稿者:橋本繁美 鬱金色(うこんいろ) 鬱金は、薬用とか、食用の沢庵漬けやカレー粉の着色にも用いられている。鬱金色は熱帯アジア産のショウガ科の鬱金の根によって染められた赤みを帯びた黄色。鬱金が日本に伝わったのは奈良時代だが、色として注目を浴...
京を歩く

寄稿104 狭くなった四条通 / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 四条通寺町東に八坂神社御旅所(冠者殿社)がある。氏子はもとより、祇園祭関係者にとっては特に7月お世話になるところだ。一年を通して前を通るたびに、礼をするようになったのは齢のせいかな。寺町の信号を渡ると藤井大丸(フジイダイマ...
日本の色を愉しむ

琥珀色(こはくいろ)/常盤色(ときわいろ)

寄稿者:橋本繁美 琥珀色(こはくいろ) 琥珀色といえば、ウイスキーのコピー表現のイメージ。グラスに注がれたロック、それともストレート。秋の夜長にうってつけのおとも。本来の意味は、太古の樹脂が化石なったもので、透明感のある黄褐色をさし、古代で...
京を歩く

寄稿103 四条通をゆっくり西へ / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 四条河原町といえば、京の繁華街のど真ん中。昔から老若男女関係なく、ショッピングや食事などによく利用するところだ。かつての待合場所だったお洒落な阪急百貨店のあとは丸井百貨店、そして今はエディオンと形態を変えているが、7階と8...
日本の色を愉しむ

紅柿色(べにがきいろ)/橙色(だいだいいろ)

寄稿者:橋本繁美 紅柿色(べにがきいろ) 色づいた紅葉も葉を落とし、寒そうに木の枝や幹だけとなる頃。そこに赤い実、木守柿がぽつんとひとつ。鳥への細やかな捧げものなのか 。柿は実りの秋を象徴する色として、昔から私たち日本人の生活に根付いてきた...
京を歩く

寄稿102 四条大橋を渡れば / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 若い頃、飲みに行くときは四条大橋までと仲間内では決めていた。もちろん西から東に向いてきた場合。その理由は、橋の向こうは祇園、料金が高いというイメージがあった。今はそんなことはないと思うが、学生時代や社会人のなりたての頃は木...
日本の色を愉しむ

紅葉色(もみじいろ)/朽葉色(くちばいろ)

寄稿者:橋本繁美 紅葉色(紅葉色) 秋を象徴する紅葉した楓の色。紅葉(もみじ)という言葉は秋に草木の葉が色づくことを意味し、特定の樹木を指さないが、みごとに紅葉する楓が多かったため平安時代になると紅葉と表わすようになったといわれる。『万葉集...
京を歩く

寄稿101  夜の四条通をゆっくりと / 京を歩く

寄稿者:橋本繁美 花見小路といえば、やはり夜の歓楽街のイメージ。個人的には、四条通の南側はお茶屋さん、北側はスナックやバー、ナイトクラブといった感じ。若い頃はネオンに誘われて、あちらこちらと顔を出し、ほろ酔い気分で歩いたものだ。仲間たちと知...
旧暦のある暮らし

日本の七十二候 楓蔦黄(もみじつたきばむ)

寄稿者:橋本繁美 霜降 末候 紅葉が深まるころ。「もみじ」は「揉み出(もみず)」が変化した言葉。草木の色が揉み出されるという意味で、昔は黄色に色づくものを「もみじ」といっていた。それが次第に、とりわけ美しく紅葉する楓をさすようになったという...