旧暦のある暮らし

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日本の七十二候 土脉潤起(つちのしょううるおいおこす)

寄稿者:橋本繁美 雨水 初候 「脉」は「脈」の俗字といわれ、土が脈打っているかのよう。早春の雨が降り注ぎ、大地が潤いめざめるころ。土がいくらか湿り気を含みだす時期。街を離れて、土の息吹が感じられる畑や田んぼに出かけよう。(新暦では、2月19...
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日本の七十二候 魚上氷(うおこおりをいずる)

寄稿者:橋本繁美 立春 末候 ♪春になれば 氷(しが)こもとけて どじょっこだのふなっこだの 夜が明けたとおもうべな(東北地方のわらべうた「どじょっこふなっこ」) 寒い間、水の底でじっとしていた魚たちが、水がぬるんで割れた氷の間から、元気に...
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日本の七十二候 黄鶯睍睆(うぐいすなく)

寄稿者:橋本繁美 立春 次候 鶯がもうすぐ鳴きはじめるころ。鶯は「春告鳥」。春になって初めて聴く鶯の声を「初音(はつね)」といい、昔から心待ちにしていたという。睍睆(けんかん)とは、姿が美しいことや声の清らかなことをさす。(新暦では、2月9...
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日本の七十二候 東風解凍(はるかぜこおりをとく)

寄稿者:橋本繁美 立春 初候 東風吹かば にほひおこせよ 梅の花主なしとて 春な忘れそ  (菅原道真)  春は東からやってくる。だから東風は春を呼ぶ風。昔の人たちはそう考えていた。日本では古くから「こち」と呼ばれていた。梅は「春告草」といわ...
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日本の七十二候 雞始乳(にわとりはじめてとやにつく)

寄稿者:橋本繁美 大寒 末候 鶏が卵を産み始めるころ。鶏が卵を産むために、鳥屋(とや)にこもるという意味の「雞始乳」。かつて、庭に放し飼いにしたので「庭つ(の)鳥」、これが鶏の語源とか。それだけに昔から、日本人との暮らしと結びついてきた鶏。...
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日本の七十二候 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)

寄稿者:橋本繁美 大寒 次候 沢とは浅く水がたまり、草の生えている湿地のこと。その沢に氷が厚く張りつめるころ。冷え込みがことさら厳しいとき、一面に氷がかたく凍りついている様子を「氷の楔(くさび)」というらしい。氷紋、氷の花、氷の鏡。「春たて...
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日本の七十二候 欵冬華(ふきのはなさく)

寄稿者:橋本繁美 大寒 初候 「欵冬(かんとう)」とは、冬の氷をたたきやぶるの意。冬に氷を破って生えるところから蕗(ふき)の異名となったといわれる。最も寒さが厳しい時期に、蕗の薹(とう)が雪の間から顔をのぞかせると、春が近いことを教えてくれ...
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日本の七十二候 雉始雊(きじはじめてなく)

寄稿者:橋本繁美 小寒 末候 雉がはじめて鳴くころ。といっても、日本で雉が盛んに鳴きはじめるのは3、4月ごろ。古くから狩猟の対象とされてきた雉。「雉も鳴かずば撃たれまい」といわれるように、大きな声で「ケーン、ケーン」鳴く。また雄は求愛すると...
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日本の七十二候 水泉動(しみずあたたかをふくむ)

寄稿者:橋本繁美 小寒 次候 「水泉」とは、地中から湧き出る泉のこと。地中では凍った泉で水が動きはじめ、かすかにあたたかさを含んでいるころ…人々はそう思いながらこの時期を過ごしたのかも。(新暦では、1月10日~1月14日ごろ)
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日本の七十二候 芹乃栄(せりすなわちさかう)

寄稿者:橋本繁美 小寒 初候 寒さの中で芹がさかんに生えるころ。芹の語源は、競り競うように生えるからだといわれている。根が白いので、白根草とも呼ばれ、春の七草でも筆頭に数えられる。小寒を迎え、この日から節分までの30日間が「寒の内」。(新暦...